穏やかな暮らしのはじまり

古民家再生

施主様が生まれ育った築100年の古民家。 70代のお父様がお一人で暮らしておられる状況が心配で同居されることになりました。 施主様お自身も自宅でテレワークが増えてきた時期でもあり、また、施主様のリタイヤ後のセカンドライフを見据えて のんびり暮らせる場所にしようと思い立たれました。 一番心配されていた事は、この先何十年とこの建物に住むことができるのかどうか。 また、敷地に広がった家全体でどう住んだらいいのかわからないともおっしゃっていました。 【ゾーニング計画】 築100年の古民家は、生活の変化やご家族が増えるにつれてk増築が繰り返され、南北に長い敷地の中で、 母屋を中心にそれぞれ中庭を挟んで北棟・南棟がある配置でした。 生活ペースの異なる二世帯がお互い気兼ねなく暮らせるように配置した計画としました。 母屋は田の字型の配置を崩さずに、南側にＬＤＫを、北側には施主様のテレワークスペースやゲストルームとして使える洋室と仏壇の和室を配置しました。 洗面・浴室・トイレは、予算を抑える目的も兼ねて大きく移動させずに、浴室を拡張しつつ元の配置のままとしました。 お父様はデイサービスで入浴を利用されており、お湯を沸かす程度の水場があればよいとのことでした。 そこで中庭を挟んだ北棟をお父様の居室としました。 南棟は元々施主様が子供部屋として使用されていました。 予算のバランスから内装をきれいに整えて、施主様と娘様の寝室としました。 【性能向上】 増築によりできたt屋根の谷部分から雨漏れして劣化が進んでいる部分あり →減築して母屋は元の姿に戻す（雨漏りの改善、陽当たりの確保） 耐震性 →壁量を増やす＋壁を耐震補強。 　屋根は近い将来メンテナンスの時期が来た際に「軽い屋根」に葺き替えることで、上部構造評点1.0以上になる計画とする 温熱性 →窓はLow-E複層ガラス断熱窓に取替。南面からは冬に日光をたくさん取り込めるよう、できるだけ開口部を取り、テラス屋根は透明にしました。 【外構計画】 木々は伸び放題で、物干し場は雨が降ると水たまりができる状況でした。 LDKに面してウッドデッキを設置。アウトドア家具を置いてLDK＋αの空間として活用できるようにしました。 生け垣は、隣地からの視線を遮りながら古民家の雰囲気に合う縦格子のフェンスに造り替えました。 フェンスの足下は花壇スペースとし、グリーンを増やしていける施主様の楽しみができました。 テラスやフェンスは窓サッシと同じカームブラックで統一し、内外のつながりを意識しました。 古くから続くt街並みや田畑が広がりのどかな時間が流れている環境で、普段は忙しくお仕事されているお施主様にとっては、 オンとオフの切り替えができる大切な場所となりました。 代々受け継がれてきた大切な建物は、古民家の風格は残したまま、安心して穏やかに暮らせる住まいと生まれ変わりました。