ONとOFFの切り替えが出来る「くつろぎキッチン」

家業が小児科のお施主様、午前中の診療が終わり２階にあるご自宅キッチンで食事と午後の診療に備えて休憩をします。 以前のキッチンは北側の斜線制限のため屋根が傾斜している場所にあり、吊り戸棚が付けれません。収納量の確保のためキャビネットを横長に配置していましたが、その分動線が長くなっていました。 家事動線が良いように配置されたはずの洗濯機スペース前には行き場のないゴミ箱が置かれています。 精神的負担を一人でこなしているご主人が常に万全の状態で診療に専念出来るように「ONとOFF」の切り替えが出来る空間をご希望でした。 まず着手したのはキッチンレイアウトでした。使いにくかったL型をI型に変え、引き出し、食器洗い乾燥機、ゴミ箱収納を組み込んで、食器棚や冷蔵庫までの動線を考慮したレイアウトを提案しました。 洗濯機置き場も取り込んでキッチン全面スペースを広く取るようにしました。 打ち合わせ当初のキッチン面材は紫色が落ち着くのでは？とご希望されていましたが、プラン検討を重ねるうちに明るめの色に変わっていきました。 ご主人さまの仕事場である診療室は白い壁に白い床の、シルバーの診療器具といった明るい清潔な環境です。 「ONとOFF」を意識して全体的には黒い壁面に天井もトーンを落とした壁紙。傾斜天井にはシロタガヤの羽目板を張り、床は国産の杉フローリングで「落ち着きとリラックスを」キッチン面材にはルーセントゴールド、正面には凹凸のあるイエローオーカー色のタイルを棚下に取り付けたLEDライトで照らして「華やかさを」ひとりひとりの患者さんに全力で向かっていく緊張した精神をほぐせる環境づくりを目指しました。