訪日ムスリム旅行者のトイレ利用調査
近年、世界中から日本に訪れる人が増えています。なかでも注目を集めているのが、訪日ムスリム(イスラム教徒)旅行者の増加です。ムスリムは世界人口の23%を占める16億人※1に上ると推計されており、日本でもムスリム旅行者の増加が予想されます。そうした中で必要となってくるのが、イスラム教の規範へ配慮した受け入れ環境の整備です。日本では「豚肉やアルコールを口にしてはならない」「決まった時間に礼拝を行う」といったことが知られていますが、このほかにもイスラム教では生活の中で守るべきさまざまな規範があります※2。その一つが、お清めです。ムスリムは礼拝にあたって、心身を清潔にすることをとても大切にしています。礼拝前には「ウドゥ」(お清め)として、手や口、鼻などを水で清めます。また、トイレを利用した際には、排泄部位を水で洗い流す習慣もあります。
そこでTOTOでは、訪日ムスリム旅行者のトイレ利用調査を実施。その結果、訪日ムスリム旅行者の多くが、「清潔で温水洗浄便座の備わったトイレ」を必要としている実態が浮かび上がりました。外国人観光客が多様化していくなか、だれもが安心して過ごせるトイレ整備を考えるうえで、重要な視点といえそうです。
- 首相官邸webサイト「政策会議」観光戦略実行推進タスクフォース「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」(2018)より抜粋。
- 参照元:「ムスリムおもてなしガイドブック 」(観光庁)
Report 1
温水洗浄便座に高いニーズ!
訪日ムスリム旅行者の95%が使うと回答
イスラム教には排泄後に排泄部位を水で洗わなければならないという規範があります。日本でその規範を守るために役立つのが、温水洗浄便座です。訪日ムスリム旅行者の約82%が「(温水洗浄便座を)あれば必ず使う」と答え、「たまに使う」も含めると95%が使ったことがあると回答。ムスリム旅行者の快適な旅を助けています。
あなたは温水洗浄便座を使ったことがありますか?
82%が温水洗浄便座を
「あれば必ず使う」と回答
自国では排泄のあと排泄部位をどうやってきれいにするのがあなたにとって一般的ですか?
(複数回答)
日本の公共トイレでは排泄のあと排泄部位をどうやってきれいにしていますか?(複数回答)
トイレブース内に
「ハンドシャワー」のない
日本の公共トイレでは
温水洗浄便座が
代用品として使用されている
Report 2
トイレの手洗いは約90%の人が必ず石けんを使って洗浄
まったく手を洗わない人はいない
訪日ムスリム旅行者は公共トイレを利用した後、ほぼ必ず手洗いをしています。消費者庁の調査(2015年)によると、トイレ後の手洗いで「手を洗わない」と答えた日本人が約15%であることを考えると、訪日ムスリム旅行者の方の手洗いへの意識は非常に高いと言えるでしょう。さらに、手洗い時は約9割が備え付けの石けんを必ず利用。水栓や石けんに直接触らずにすむ自動式タイプが好まれていることも明らかになりました。
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公共トイレでの排泄後は
洗面台で手を洗いますか?手を
「絶対洗う」
が99% -
公共トイレの洗面台で手を洗うときに
石けんを使いますか?手洗いは
「石けんを使う」
のが主流
日本には手洗いの水栓や石けんは自動式のものがあります。
あなたが使いたいのはどちらですか?
非接触の自動式の水栓や石けんが人気
調査概要 TOTO調べ(2019)
- ●名称
- 訪日ムスリム旅行者へのトイレ利用調査
- ●実施時期
- 2019年3月・8月
- ●対象者条件
- 観光・出張目的で来日した訪日ムスリム旅行者
(日本在住でない)
- ●調査方法
- 都内観光地にて街頭対面アンケート調査
- ●調査人数
- 138名(男性57名、女性81名)
- ●出身国
- 19の国と地域
(マレーシア、インドネシア、シンガポール、アラブ首長国連邦、トルコ、ブルネイ、クウェートなど)
詳しい内容は、
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