2016年 秋号
[特集]
社会には、生かされずに眠っている資源がある。たとえば、鉄道や道路の高架下。あるいは空室がつづいているマンションやアパート。地方都市の空きビルや、田舎の古民家など。それらは平然と都市や地方に埋もれ、気づかれることなく放置されている。 ただ時として、その状況に分け入って覚醒の端緒を見出す人たちが現れることがあり、「社会資源」として発掘される。そうして「社会資源」となった建築は、社会の一端をつくることにもなる。建築が、その社会の未来を担っているともいえ、いきいきと人々に使われている。
表紙写真/「中央線高架下プロジェクト」の広場。
表紙撮影/傍島利浩