ふじみ眼科・内科クリニック
1992年3月、沖津由子医師が香川県坂出市に沖津眼科クリニックを開業。2020年、兵庫医科大学病院に勤務していた娘の福田美穂医師が小児斜視・弱視の専門医として加わり、2023年3月、福田さんの夫である内科医の福田修久医師を迎え、眼科と内科を併設するふじみ眼科・内科クリニックとしてリニューアルした。
香川県坂出市のふじみ眼科・内科クリニックは、2023年3月にリニューアル。旧病院のすぐそばに建設し、旧病院跡地は広い駐車場になりました。
「3年前、一般眼科として開業していた沖津眼科クリニックに私が小児眼科の専門医として加わったのですが、すぐに気づいたのがトイレの問題でした」と福田美穂さんは話します。
築30年近くなり、改修はしていたものの使い勝手が悪かったそうです。また、子どもの場合、用を足すときは保護者が個室に付き添って入ることが多いのですが、狭くて親が一緒に入るには少し窮屈だったと言います。
「おむつを替えたいという要望にはトイレを利用してもらっていましたが、ベビーベッドなどの設置はなく、申し訳ない思いでした」
また、来院者が増えたため、待合室が人でいっぱいになることもあったとか。コロナ禍にあり、スペースに余裕を持つ建て替えが必要なのではないかと考えるようになり、内科医であるご主人が加わって内科を併設することが決まったことから、新築にするという決断をしたそうです。
ふじみ眼科・内科クリニックは入ると左が眼科、右が内科のスペースです。眼科側にバリアフリートイレが1つ、内科側に男性用と女性用が1つずつと発熱外来対応トイレが1つあります。そのほかスタッフ専用も備えています。
眼科側のバリアフリートイレは、ベビーカーのまま入ることができます。
「リニューアルに際し、トイレは注力すべきポイントのトップ3の一つであると考えていましたので、重要視しました。
設備面の充実はもちろんですが、複数の子どもを連れてこられる保護者の方も少なくないので、子どもと親が全員一緒に入れるスペースにしたいと思いました」
福田さん自身が小学生と幼児の2人の子どもの親であり、デパートなどで、だれでもトイレなどが設置されていると3人で一緒に入ることができてとても助かったという経験がありました。
また、おむつ替えができるようベビーシートを備え、子ども用の便座や手洗い用の踏み台も設置しています。
設計の寒川洋次さんは、「一般的にはどの診療科でも、トイレに出入りするところを見られないよう、入り口は待合から見えにくい位置に設置します。内科側のトイレはその配慮をしていますが、眼科側は、あえて出入りが見えるようにしています。子どもがトイレに行くところを保護者が確認できるようにするためです」と話します。
眼科では子どもの来院者が半数を占めるというふじみ眼科・内科クリニックならではの配慮です。
衛生面では、ドアや手洗いの水栓は非接触のものを採用。便器も排泄後は非接触で水を流すことができます。また、6分ごとに完全換気をする換気システムも導入。常に清潔を保つため、清掃にも細かく気を配ります。
「おむつ替えをしたり、子どもが用を足すトイレなので、汚れやすいのは否めません。ですから、開院前、昼食後、閉院後の3回に加え、一日に何度も確認することを心がけています。また、保護者の方には汚れたら遠慮なくすぐに教えてくださいと話しています」
清潔感が重要視されるクリニックだからこそ、小さな汚れがあるとマイナスの印象を持たれかねません。トイレがきれいなこと、安心して利用できることは、クリニック選びの一つの要素となり得るのかもしれません。
「リフォームするときは、水まわりの改善が最優先。まずトイレの改修を提案します。トイレがきれいだと、利用者が安心しますから。こちらは新築なのでトイレがきれいなのは当たり前ですが、スタッフの皆さんがそれを保ちたいと思えるような設えにしなければと思いました」と寒川さん。
まずは福田さんの意向を取り入れ、ホテルライクなラグジュアリー感のある雰囲気に。壁材には床材として使用しているマーブル模様の塩ビのタイルを採用。間接照明を使うことで、落ち着きと温かみを演出することに成功しました。塩ビのタイルは清掃性も良いと言います。
「単に用を足すための空間ではないトイレになりました。スタッフはもちろん、利用する人も自然にこの状態を維持しようと考え、きれいに使ってくれるのではないでしょうか」と福田さん。
また、「眼科と内科が併設となり、より、地域の皆さんのご相談を受けやすくなったと思います。これからもお一人おひとりと丁寧に向き合っていきます」と話してくれました。
名 称 | ふじみ眼科・内科クリニック |
所在地 | 香川県坂出市富士見町1-1-11 |
施 主 | 有限会社沖津メディカルサービス |
設 計 | 株式会社寒川建築研究所 |
施 工 | 富士建設株式会社 |
構 造 | S造 491.55㎡ |
竣工年月 | 2023年1月 |
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