ボンディングキャピラリー
TOTOが開発した高い耐久性を有する材料をベースに、高精度且つ均一な加工技術により、半導体組立工程における生産性向上を実現します。
また、設計・解析能力及びエンジニアリングサポートによりお客様の技術課題の早期解決に貢献します。
長寿命素材PX
TOTOの長寿命素材PX™は、素材の耐摩耗性向上により、キャピラリーの先端摩耗を抑制します。
効果
①キャピラリーの長寿命化により、ワイヤボンディングの生産性を高めます。
・キャピラリーの交換回数を減らし、装置稼働率を向上。
②初期のボンディング接合強度、初期プロセスウインドウの長期維持を実現します。
・ボンダビリティの長期安定性、歩留まり向上に貢献。
素材特性
素材物性、製造プロセスの改良により、耐摩耗性の向上を実現しました。
TOTOのPX™素材
素材 | TOTOのPX™素材 | 他社A | 他社B |
---|---|---|---|
曲げ強度 | 1339 | 965 | 1195 |
細孔占有率 | 12 | 392 | 131 |
ビッカーズ硬度 | 2032 | 1812 | 1953 |
PX™キャピラリー寿命評価結果
TOTOのPX™キャピラリーは、Die-to-dieボンディングにおいて、250万ボンド、粗化PPFリードフレームで300万ボンドを達成。
キャピラリー寿命を向上させる事により1ボンドあたりのコストを大幅に改善しました。
TOTO PX™ ワイヤープル評価結果(Die-to-dieワイヤーを含む)
2.5KKTD後もキャピラリー先端に大きな摩耗は確認されず、長寿命素材PX™の高い耐摩耗性を証明。
先端表面処理Z-Matte
Z-Matte™は、業界で最も粗く(※)、かつ均一な粗さに仕上げる表面処理技術を確立しました。
- 2014年11月時点での自社調査による。
- 粗さの指標は、Ra(算術平均粗さ)とする。
効果
①キャピラリー先端表面のグリップ力強化によって、2ndボンディング接合性が向上します。
・Ni-Pd PPFリードフレームなどの2ndボンディング接合難易度が高い素材への接合性を確保。
・低い荷重、US設定を可能にし、キャピラリーの先端摩耗を抑制。
②先端表面凹凸部分の局所的な応力集中を抑えることで、表面形状を維持します。
・2ndボンディング接合の長期安定性、キャピラリーの長寿命化に貢献。
Z-Matte™表面
接合難易度の高い素材への2nd接合性確保
2ndボンディング接合部のスティッチ部分にキャピラリー先端表面粗さが転写されているため、Z-Matte™におけるグリップ力の向上が確認できる。
キャピラリー先端表面粗さの比較
スティッチプル評価結果[Package:Pd-PPF Cu-1.0mil]
CAEでの力積評価
キャピラリー先端表面の凹凸を均一にすることで、応力集中による先端表面の形状変化を抑制。
微細加工技術
TOTOの卓越した微細加工技術によって、高精度に加工されたキャピラリーは、あらゆるボンディング条件下において、常に安定したボンダビリティを発揮します。
技術優位性
①加工精度
ICパッケージの細線化/狭ピッチ化に伴う要求品質の変化に対応します。
・Φ15μmワイヤ、BPP35μmに対応可能。
②均質性
常に安定した加工精度を実現することで、量産時におけるボンディングパフォーマンスの最大化に寄与します。
・お客様のボンディング歩留まり、MTBAの向上に貢献。
TOTOは厳密にキャピラリー寸法を管理しています。
同一仕様[30±1μm]におけるH径の実寸比較:TOTO vs 他社