TOTO
世界遺産 ル・コルビュジエ作品群
 
世界遺産 ル・コルビュジエ作品群
国立西洋美術館を含む17作品登録までの軌跡
TOTO建築叢書9
著者=山名善之
発行年月=2018年3月
体裁=四六判(128×188mm)、並製、212頁
ISBN=978-4-88706-368-6

ブックデザイン=中島英樹(中島デザイン)

定価=本体1,700円+税
史上初。大陸をまたがる世界遺産。3度の挑戦、15年の全容
TOTO出版は、『世界遺産 ル・コルビュジエ作品群――国立西洋美術館を含む17作品登録までの軌跡』を2018年3月20日に発行しました。

2016年7月に開催された第40回世界遺産委員会で「ル・コルビュジエの建築作品――近代建築運動への顕著な貢献」がユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。東京・上野公園の「国立西洋美術館」を含む17の構成資産はフランス・日本・ドイツ・スイス・ベルギー・インド・アルゼンチンの7カ国に在り、ヨーロッパ・アジア・南米の3大陸をまたぐ世界遺産登録としても注目されました。
20世紀文化遺産とはいかなるものなのか? 世界遺産登録にはどのような意義があるのか? 本書にはル・コルビュジエ作品群が世界遺産登録に至るまでの約15年間の軌跡が、その中心的役割を担った山名善之氏ならではの視点で解き明かされています。

世界遺産登録に向けて山名氏が考案し作成した「ル・コルビュジエ実現作品の文化遺産としての価値検討表」、選出された17作品が世界規模で展開された「近代建築運動」にいかに貢献したのかを具体的に証明するための「各構成資産のOUV(資産の顕著な普遍的価値)」など、貴重な資料も初公開しています。またOUVに基づく評価基準を記した17作品の解説も必読です。

本書は20世紀の近代建築運動に多大な影響をおよぼした建築家 ル・コルビュジエ(Le Corbusier、本名:シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ、1887-1965)の思想と活動への理解を深めるのみならず、近代建築史の手引書、世界遺産の手引書としても役立つ1冊です。ぜひお手にとってご覧ください。
立ち読み
プロフィール
山名善之 Yoshiyuki Yamana
1966年東京都生まれ。1990年東京理科大学卒業。香山アトリエ/環境造形研究所、パリ・ベルヴィル建築学校DPLG課程(フランス政府給費留学生)、パリ大学パンテオン・ソルボンヌ校博士課程。アンリ・シリアニ・アトリエ(パリ・文化庁在外派遣芸術家研修員)、ナント建築大学契約講師等を経て、2002年より東京理科大学勤務。現在、同大学理工学部建築学科教授、フランス政府公認建築家DPLG、博士(美術史)。専門:建築史・意匠学、アーカイブズ学。ICOMOS、DOCOMOMOのメンバーとして建築保存(近現代建築)、文化遺産分野で活動。日本イコモス理事、ドコモモ・インターナショナルAB理事。2008年第3回西洋美術振興財団賞学術賞、2016年第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展審査員特別賞、2017年フランス芸術文化勲章(シュヴァリエ)など。建築作品に「飯能K邸」、「南馬込K邸」、「日食の家(五浦の小屋)」、「谷中の自邸」など。著書、訳書に『ジャン・プルーヴェ』(日本語版監修、TOTO出版、2004)、『ムンダネウム』(翻訳・解説、筑摩書房、2009)、『マルセイユのユニテ・ダビタシオン』(翻訳・解説、ちくま学芸文庫、2010)、『国立西洋美術館――ル・コルビュジエの無限成長美術館』(著、Echelle-1、2016)など。
目次

第1章 文化遺産としてのモダン・ムーブメント

近代(modern)とは何か/文化遺産の主体/ヴァンダリズム/フランスにおける文化遺産保護制度/新古典主義と歴史主義/モダン・ムーブメント/パリの「ヴォワザン」計画と文化遺産/ル・コルビュジエ財団の設立/フランスにおける20世紀遺産の文化財登録/フランスにおける20世紀遺産の文化財登録/モダン・ムーブメント建築の破壊/モダン・ムーブメント建築の保護/ドコモモ・インターナショナルの設立

第2章 近現代建築と世界遺産

ユネスコ/世界遺産条約/アテネ憲章からヴェネツィア憲章、そしてICOMOS設立/世界遺産制度と登録審査/20世紀の近現代建築の世界遺産登録/オーセンティシティとインテグリティ/多様性のあるオーセンティシティ/リビング・ヘリテージとマドリッド・ドキュメント/シリアル・ノミネーション/世界遺産としての建築家による作品群/20世紀遺産の課題

第3章 世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品

世界遺産登録の意義:国境を越えるモダン・ムーブメント/工業化の美学/住宅は住む機械/1922年パリ・サロン・ドートンヌ/インターナショナル・スタイル/無限成長美術館とムンダネウム/プロトタイプ「無限成長美術館」/モデュロール/ル・コルビュジエと日本/松方コレクション/プロトタイプ「無限成長美術館」としての「国立西洋美術館」/成長する「国立西洋美術館」/世界遺産登録までの経緯/第40回世界遺産委員会/世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品」登録決議文

4章 世界に拡がるル・コルビュジエ遺産

世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品――近代建築運動における顕著な貢献」の構成資産の選定過程/ル・コルビュジエ実現作品の文化遺産としての価値の検討/シリアル・ノミネーションとしての各推薦構成資産のOUVへの貢献の検討/登録された建築作品

参考

世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品――近代建築運動への顕著な貢献」構成資産

① ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(フランス)
② レマン湖畔の小さな家(スイス)
③ ペサックの集合住宅(フランス)
④ ギエット邸(ベルギー)
⑤ ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅(ドイツ)
⑥ サヴォア邸と庭師小屋(フランス)
⑦ イムーブル・クラルテ(スイス)
⑧ ポルト・モリトーの集合住宅(フランス)
⑨ マルセイユのユニテ・ダビタシオン(フランス)
⑩ サン・ディエの工場(スイス)
⑪ クルチェット邸(アルゼンチン)
⑫ ロンシャンの礼拝堂(フランス)
⑬ カップ・マルタンの休暇小屋(フランス)
⑭ チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(インド)
⑮ ラ・トゥーレットの修道院(フランス)
⑯ 国立西洋美術館(日本)
⑰ フィルミニの文化の家(フランス)

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