第1章 文化遺産としてのモダン・ムーブメント
近代(modern)とは何か/文化遺産の主体/ヴァンダリズム/フランスにおける文化遺産保護制度/新古典主義と歴史主義/モダン・ムーブメント/パリの「ヴォワザン」計画と文化遺産/ル・コルビュジエ財団の設立/フランスにおける20世紀遺産の文化財登録/フランスにおける20世紀遺産の文化財登録/モダン・ムーブメント建築の破壊/モダン・ムーブメント建築の保護/ドコモモ・インターナショナルの設立
第2章 近現代建築と世界遺産
ユネスコ/世界遺産条約/アテネ憲章からヴェネツィア憲章、そしてICOMOS設立/世界遺産制度と登録審査/20世紀の近現代建築の世界遺産登録/オーセンティシティとインテグリティ/多様性のあるオーセンティシティ/リビング・ヘリテージとマドリッド・ドキュメント/シリアル・ノミネーション/世界遺産としての建築家による作品群/20世紀遺産の課題
第3章 世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品
世界遺産登録の意義:国境を越えるモダン・ムーブメント/工業化の美学/住宅は住む機械/1922年パリ・サロン・ドートンヌ/インターナショナル・スタイル/無限成長美術館とムンダネウム/プロトタイプ「無限成長美術館」/モデュロール/ル・コルビュジエと日本/松方コレクション/プロトタイプ「無限成長美術館」としての「国立西洋美術館」/成長する「国立西洋美術館」/世界遺産登録までの経緯/第40回世界遺産委員会/世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品」登録決議文
4章 世界に拡がるル・コルビュジエ遺産
世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品――近代建築運動における顕著な貢献」の構成資産の選定過程/ル・コルビュジエ実現作品の文化遺産としての価値の検討/シリアル・ノミネーションとしての各推薦構成資産のOUVへの貢献の検討/登録された建築作品
世界遺産「ル・コルビュジエの建築作品――近代建築運動への顕著な貢献」構成資産
① ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(フランス)
② レマン湖畔の小さな家(スイス)
③ ペサックの集合住宅(フランス)
④ ギエット邸(ベルギー)
⑤ ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅(ドイツ)
⑥ サヴォア邸と庭師小屋(フランス)
⑦ イムーブル・クラルテ(スイス)
⑧ ポルト・モリトーの集合住宅(フランス)
⑨ マルセイユのユニテ・ダビタシオン(フランス)
⑩ サン・ディエの工場(スイス)
⑪ クルチェット邸(アルゼンチン)
⑫ ロンシャンの礼拝堂(フランス)
⑬ カップ・マルタンの休暇小屋(フランス)
⑭ チャンディガールのキャピトル・コンプレックス(インド)
⑮ ラ・トゥーレットの修道院(フランス)
⑯ 国立西洋美術館(日本)
⑰ フィルミニの文化の家(フランス)