TOTO
進化する箱
 
進化する箱
箱の家の20年
TOTO建築叢書7
著者=難波和彦
発行年月=2015年9月
体裁=四六判(188×128mm)、並製、232頁
ISBN=978-4-88706-353-2

ブックデザイン=中島英樹(中島デザイン)

定価1,650円(本体1,500円+税10%)
TOTO建築叢書第7弾! 今、改めて住まいの原点を問う
TOTO出版は、『進化する箱――箱の家の20年』を2015年9月18日に発行しました。

「箱の家」は1995年の誕生以来、「箱の家の四層構造――標準化構法、省エネルギー、一室空間、箱型デザイン」という一貫したコンセプトのもとに展開され、2015年現在その数は150余戸を数え、さらに進化しながら増殖をつづけている稀有な住宅シリーズです。

本書では、建築家・難波和彦氏が20年にわたって手がけてきた「箱の家」誕生の起源から、現在に至る進化のプロセス、さらには今後の可能性が、戦後住宅政策の転換といった社会背景、そしてそれに伴う家族のあり方、住まい方の変化といったソフト面から、また建設技術の進歩や資材の工業化といったハード面の双方から詳細に語られています。

難波氏は、「立体最小限住宅」を考案し、清家清氏らと並び戦後住宅作家の旗手として住宅問題に取り組んだ池辺(いけべ)陽(きよし)氏の下で学び、晩年の作品にも関わることで、その影響を強く受けています。そうした建物全体を意匠面のみならず、工学的側面からも十分に検証しながらつくり上げていく難波氏の設計プロセスは、非常に高く評価されています。

本書は、「箱の家」から見えてきた課題を明らかにすることにより、これからの住宅のあり方を足元から見直そうという一冊であり、住宅の設計や政策づくりに携わられている方はもちろん、建築家を志している学生の方など、多くの方々に手に取っていただきたい一冊です。
立ち読み
プロフィール
難波和彦 Kazuhiko Namba
1947年大阪生まれ。1969年東京大学建築学科卒業。1974年同大学院博士課程修了。2000年大阪市立大学建築学科教授。2003年東京大学大学院建築学専攻教授。2010年〜東京大学名誉教授、放送大学客員教授。一級建築士事務所 ㈱難波和彦・界工作舍代表、工学博士。主な作品に「直島幼児学園」、「直島町民体育館」、「54の窓」(1975)、「田上町立竹の友幼稚園」(1977)、「箱の家シリーズ」001~(1995~継続中)、「なおび幼稚園」(2004)、「カッシーナ家具工場」(2005)、「浅草二天門消防支署」(2006)、「アタゴ深谷工場」(2011)がある。
著作に『戦後モダニズムの極北:池辺陽試論』(彰国社、1999)、『箱の家――エコハウスをめざして』(NTT出版、2006)、『建築の四層構造――サステイナブル・デザインをめぐる思考』(INAX出版、2009)、『東京大学建築学科 難波和彦研究室全記録』(角川学芸出版、2010)、『新しい住宅の世界』(放送大学教育振興会、2013)など多数。新建築吉岡賞、住宅建築賞、東京建築賞、「健康な住まい」コンテスト優秀賞(全て1995)、日本建築士会連合会業績賞優秀賞(2000)、JIA環境建築賞(2004)、日本建築学会賞業績賞(2014)他多数を受賞。
目次

目次

はじめに

PREFACE

第1章 箱の家の起源

第2章 箱の家の遺伝子

第3章 一室空間住居

第4章 箱の家の構法

第5章 MUJI HOUSE

第6章 箱の家の環境制御

第7章 3・11以降の箱の家

第8章 箱の建築

終 章 箱の家の未来

おわりに

あとがき

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