デザイナーと開発者の物語

目指したのは、理想の美しさ

ネオレストNXの開発。それは、理想のトイレを追求する、制約なしの、かつてないプロジェクトだった。

理想の挑戦への始まり

デザイン第一部
デザイナー 吉岡 佑二

TOTOが100周年を迎える2017年に向けて、次の100年を見据えた次世代トイレをつくること。それが、ネオレストNXの開発の始まり。デザイン本部と開発、企画、研究所スタッフからなる、全社的な取組みだった。
「人がリラックスできる場所であるトイレにふさわしいのは、安心感があり、もっと人の感性に響くものではないだろうか?」
デザイナーの吉岡佑二が目指したのは、空間の1 要素としてではなく、魅力的なモノとしての存在感。陶器の上に樹脂のウォシュレットが載っている「一体形」をもう一ランク引き上げる、「真の一体形」へのチャレンジが始まった。

デザインを研ぎ澄ます

ネオレストNXの、まるで美術品のように丸い原型は、開発の初期のデザインから、さまざまな部門の知見を集め、徐々に進化していった。
たとえば、完全なフラット形状ではない、前から後ろにかけてのせり上がり形状は、排便時の姿勢と便座の形状との関係を分析した細かいデータ群の蓄積から生まれたもの。
TOTOが積み重ねてきた高度な技術力と膨大なノウハウ。それらを最大限に生かし、部門を超えたスタッフ全員の力で、デザインは、極限まで研ぎ澄まされていった。

検討のための様々な形状のモデルを作成

美術品のような存在感へ

陶器は焼き物であり、どうしても形状や寸法にバラつきが生じる。「真の一体形」を目指すネオレストNXにとって課題だったのが、陶器と樹脂部のつなぎ目の処理だ。
デザイン側では、誤差をなるべく抑える形状を何度も検討を繰り返す。開発側は、焼き上がったときに狙った完成形になるよう微妙な調整を施す。
さらに樹脂部も、陶器の釉薬のような深みを出すためにパール層を設け、上から乳白層を重ねた。
こうした積み重ねが、まるで美術品を思わせる、美しいフォルムと質感へと結実していった。

美は細部にまで宿った

デザイナーの吉岡には絶対に超えたい、ひとつのハードルがあった。それは、フタを閉じた状態はどんなに美しく進化しても、開くと従来のトイレと変わらないという印象。そこに違和感を感じ、どんな状態でも美しい、という理想にこだわった。
フタを開けたときのヒンジ周りの継ぎ目をなくす。今回初めて採用した一枚ものの便座には、間延びして見えないように、あえて座面を区切る見切り線をつけた。フタが開いたときの佇まいにも、細やかな心遣いが息づいている。

機能までも美しい

導水路の断面モデル

開発スタッフたちはデザインと並行して、ネオレストに本当に必要な、価値のある機能を吟味する作業を加速させた。
そうして進化した機能の一つが、渦を巻くように洗浄水を巡らせるトルネード洗浄。鍵を握るフチなしボウルの設計には、自社開発の流体解析技術を活用した。水の勢いに対してカーブがきついと、きれいに1周まわらない。逆に水の勢いが強すぎるとボウルの外に水が飛び出してしまう。吐水口の位置、カーブの大きさ、ボウルの形状をゼロから考え直し、見た目の美しさを兼ね備えたベストな設計を導き出した。

世界に誇れる最高級のトイレへ

焼き物である陶器をほとんど同じ形につくる、そこにはさまざまなノウハウが生かされている。今回求められた精度は、過去に類のないもの。
蓄積してきた高度な製陶技術とノウハウの応用に加え、成形体の乾燥・焼成工程で発生する変形量を予測する解析技術や、CTによる形状・寸法データ集積を駆使。作りやすさと精度の両立を追求し、ついに生産を可能にした。
他に類を見ないデザインと、その独創性を支えた開発テクノロジーの融合。TOTOの「ものづくりスピリット」が、ネオレストNXには一体となって凝縮している。

型製作

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