
2026年6月17日

水まわりを考えるとき参考になるのが実際のお住まいの実例です。主役の商品選びやコーディネートなどがお悩み解決のヒントに!そこで、HOME UP制作チームがTOTO商品を上手に取り入れた水まわりを訪ね、取材してきました。今回はウォシュレット一体形便器「ネオレスト」を中心にご紹介します。
多くの商業施設や公共空間の設計・デザインを担ってきた一級建築士の中山佳子さん。ご自身の設計で2022年に完成したご自宅は、東京・吉祥寺エリアの閑静な住宅地にあります。
4年ほどかけて見つけた敷地は、一般的には、活用しにくいと考えられる旗竿地*。中山さんは路地の部分を木々の緑が来訪者を誘うアプローチとして活用。その奥の建物の構えを斜めに配置して、隣家や道路との適度な距離感を保ちつつ、光と風を取り込めるような設計を施しました。
*旗竿地=道路に接する出入り口(竿部分)が細長く、その奥にまとまった敷地(旗部分)がある土地

以前は都心の賃貸マンションに暮らしていた中山さん夫妻。高層階でしたが広いルーフバルコニーがあり、“庭”のある暮らしのよさを実感していたとか。コロナ禍に「緑豊かな場所に住みたい」という思いが高まり、井の頭恩賜公園近くのこちらに新居を建てることにしました。
庭の緑を街とシェアできる住まいは、来訪者に対してもウェルカムな雰囲気を生み出します。ご自宅を地域に開放する活動にも力を入れている中山さん。「近隣の設計事務所と一緒にイベントをしたり、クラフトの展示販売会をしたり。他者を招き入れても違和感のない開かれた空間に、トイレなどの水まわりが備わる構成は、住宅はもとより、店舗や宿泊施設、ワークスペースなど、将来的なあらゆる活用を可能とします。空き家化を防ぐことにつながる最強の形式だなと思いました」。
その“最強”の存在として中山さんが案内してくれたのは、TOTOの「ネオレスト」を採用したトイレ空間。1階のダイニングキッチンの一角にあります。来訪者がプライベートスペースを通ることなくトイレを使え、ダイニングキッチンで作業をするスタッフもアクセスしやすい配置です。

「ネオレスト」を採用した中山さん宅のトイレ空間。日常的に多くの人が使用することから、「掃除のしやすいデザイン」が思っていた以上に重宝しています。
「丸みのあるかわいらしさと凹凸の少ないシンプルな形が気に入って、ネオレストを選びました。公共スペースの設計でもTOTOの製品はよく採用しています。ブランドに対する信頼感もありました」と中山さん。
「公共スペースのトイレも同様ですが、コンパクトな空間なので、できるだけ余分な“線”や“パーツ”を入れずすっきり仕上げることを意識しています。その観点でも、ネオレストはわが家にぴったりでした」。
職住一体の住まいなので、“家庭っぽさ”をやわらげたいとタンクレストイレを選択。意図通りに生活感が抑えられた空間に仕上がりました。
数年使って改めて実感したのは、「清掃性の高さ」と「デザインの美しさ」だとか。「余計な突起物などがなく、掃除がとてもしやすいし、ずっときれいな状態が続いています。壁際にタンクがないので、トイレ本体はもちろん床掃除の手間も軽減できています」。

「ネオレスト」の白を際立たせているのは、トイレ空間の壁面に塗装されたグリーン。「ほかのスペースはシンプルにまとめたので、住まいのアクセントとして色のある空間が一つあってもいいかなと思って」と中山さん。ご自身が結婚式を挙げた洋館のインテリアに象徴的に使われていた「ピーコックグリーン」をイメージして選びました。
また、賃貸マンションで窓のないトイレを使った経験から、新居では横から光を入れられる窓を設けたかったそう。隣家からの視線のない位置のため、スリット窓にはフロストガラスではなく透明なガラスを採用。コンパクトな空間に印象的な光と抜け感をもたらすことができました。

スリット窓からの光が室内を照らし、空間をより快適に演出してくれます。照明や額などがさりげなくも印象的。
「トイレ空間をおろそかにしないことも意識した」という言葉にも納得。「旅行で海外のアパートメントなどに泊まると、お部屋のように絵が飾られていたりする、やたら広いトイレがあったりしますよね(笑)。とても面白いですし、とても豊かだなと思います。水まわりはどうしても小さく収めざるを得ないことが多いのですが、居心地は大事にしたいと思っています。わが家のトイレもコンパクトですが、気に入っています」

手洗器(セラトレーディング)はトイレの外、ドア付近に設置。下部の収納スペースに消耗品や掃除道具を入れておけるので、トイレ空間をすっきり保てます。DKからも近いため「スタッフやお客様に気軽に手を洗ってもらえます」と中山さん。

アプローチの緑を楽しみながら仕事ができるワークスペース。1.5階という高さと斜めを向いた開口部のおかげで通行人や隣家と目線が合いにくく、落ち着いて過ごせます。

ワークスペースの半階上にリビングがあり、その上に完全プライベート空間としての洗面所と浴室があります(写真右上)。ご夫婦共通の趣味はボルダリング。吹抜けを利用して、壁の1面を練習用のクライミングウォールに。
5層構造の建物の最上階に洗面所と浴室があります。造作した洗面台のシンクはTOTOの「病院用流し」を採用。「実用的で気に入っています」と中山さん。
トイレ空間と同様、できるだけ余計な“線”が出ないようにと、鏡と空間とを一体化したシンプルな収まりにしたほか、根元部分のぬめり防止のため水栓を壁付けにしたのもこだわりだったとか。「シンプルすぎても味気ないので、六角形タイルの素材感をアクセントにしました」。


以前の賃貸マンションの洗面台は幅が狭く、ご主人と取り合いになっていたとか。新居では洗面台の横幅を確保でき、2人で並んで使えるようになりました。
洗面所の向かい側に、ガラスで間仕切り壁を設け、浴室をレイアウトしました。浴室にはルーフバルコニーが連続しており、洗面所から洗い場を通じルーフバルコニーへ出られる、ユニークな動線になっています。

浴槽側から見ると洗い場がルーフバルコニーに出る“通路”でもあることが一目瞭然。掃き出し窓とガラスの間仕切り壁で、空間同士のつながりや抜け感を感じられる浴室です。
「浴室は入浴のときにしか使わない閉鎖的な空間ですが、特に東京の住宅の場合、浴室の3~4㎡ほどの面積でも貴重ですよね。そこで、浴室を多用途な空間にしたいと思い、ルーフバルコニーの“前室”のようなスペースにしました」。雨の日にはここで室内干しもできます。シャワーを使って、ルーフバルコニーの植物に水をあげたりもしています。

浴室は風通しがよく、床や浴槽の水切れも抜群。“最上階のお風呂”のよさを感じているそう。「窓を開けて浴槽に入ると、気分は露天風呂です。ガラスの間仕切り壁越しに夫がボルダリングをする姿が見えたりして、“孤立しない浴室”を楽しんでいます」。

縦長にした浴槽(セラトレーディング)の配置は、ご主人のアイデア。テレビの“お宅訪問番組”に多数登場したこともある中山さん宅。収録時、タレントさんにこの浴室を絶賛されたそう。
パブリックスペースとしてのトイレ。プライベートスペースとしての洗面所&浴室。シンプルという共通項がありながら、それぞれの役割に合わせてメリハリをつけた設計が、ご自宅の水まわり空間の快適さにつながっているようです。

「システムバスや洗面化粧台は、今後、ミニマルデザインでリーズナブルというシリーズが出てきたらうれしいですね」と語る中山さん。「コレド日本橋 共用部リニューアル」「バスターミナル東京八重洲」「水戸まちなかリビング作戦2021」など、パブリックスペース、交通施設、商業施設のデザインを中心に活躍中。
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