2025年2月18日
水まわりを考えるとき参考になるのが実際のお住まいの実例です。主役の商品選びやコーディネートなどがお悩み解決のヒントに! そこで、HOME UP制作チームがTOTO商品を上手に取り入れた水まわりを訪ね、取材してきました。今回は洗面化粧台「エスクア」とシステムバスルーム「シンラ」を中心にご紹介します。
石川県 | Aさん | 4人家族(同居:夫64歳 妻61歳 長女30歳)
戸建て | リフォーム | 洗面化粧台「エスクア」 システムバスルーム「シンラ」
Aさん一家のお住まいは、外観・内観ともに和風の意匠を活かした木造一戸建て。出会ったときには築20年ほどでしたが、一目ぼれして購入に踏み切ったそう。リフォームはキッチンやトイレを交換し、壁紙を貼り替えるくらいに留めて暮らし始めました。
それから20数年。Aさんご夫妻は仕事や家事、育児などに追われてきましたが、小学生だった子どもたちも成人し、ようやく暮らしや住まいを見直す心と時間のゆとりが生まれてきたところで、リフォームに取り組むことになりました。
課題のひとつは、断熱性です。家の既存の窓は単板ガラス。躯体の断熱性も低く、冬になると、居室以外の廊下などは屋外と同じくらいの気温まで下がり、とても寒かったそう。
在来工法の浴室もタイル貼りの床が冷たく、洗面脱衣室も底冷えする状態。「お風呂から上がったらリビングに逃げ帰るような感じでした」と奥様。
もうひとつの課題は収納。洗面台は洗面ボウルとカウンター、カウンター下のキャビネットだけのシンプルなもの。古さのほか、観音開きのキャビネットの内部は、配水管が収納スペースを妨げるなど、ものが入れにくいのが気になっていたそう。
「奥に入れたものが見えにくいので、せっかくストック品があったのにまた買ってきてしまうということも、しばしばありました」と奥様。収納量が少ないため、洗面カウンターの上では家族全員の洗面用具などが場所をとり、拭き掃除もままならない状態だったそうです。
そのような折、既存の給湯設備が故障したのをきっかけに、以前からの知人でもあった中川建設(石川県小松市)にリフォームの相談をすることになりました。
中川建設の担当、中川裕美さんとAさんご夫妻はさっそくリフォームプランを検討。決め手になったのは、TOTOのショールームに展示されていた洗面化粧台「エスクア」とシステムバスルーム「シンラ」でした。「夫婦でひとめぼれしました。私たちが求めるホテルライクなイメージそのものでした」(奥様)。
なるべく予算を抑えられるよう、プランニングの際には、既存の壁の位置を動かすのは最小限にするという方針に。1坪ほどだった浴室に1.25坪タイプの「シンラ」を入れるため、隣接した勝手口を縮小しました。洗面所は、既存の面積は変えずに、洗濯機を勝手口に移動させることで広々とした空間を実現しています。
古い洗面台は撤去し、新たな洗面化粧台「エスクア」は屋外に面する壁沿いに設置。鏡の脇には光と風を取り込むスリット窓を設けました。洗面化粧台の背面にはタイルを貼り、フロアタイルとともに大理石調の意匠に統一して高級感を演出しています。
洗面脱衣室のドアには、ご主人がコレクションしていた建築家「フランク・ロイド・ライト」デザインのステンドグラス風ガラス細工をはめ込みました。意匠性にすぐれた「エスクア」が映えるよう、モダンな内装にまとめながら、家族の愛着も深まるような空間に仕上げています。
洗濯機置き場があるために洗面脱衣室が窮屈になっていました。図中の赤枠がリフォームを行った範囲。
隣接する勝手口のスペース(図の最下部)を圧縮して、1坪の在来工法の浴室から1.25坪の「シンラ」に変更。洗濯機置き場は勝手口に移したので、洗面脱衣室が広く使えるようになりました。
課題だった収納面は、洗面化粧台の鏡裏が収納スペースになったものを、カウンター下には引き出し収納を採用。「以前より収納量が格段に増えました。特に引き出しが深いため、ボトル式の洗剤やドライヤーなども入ります。奥の方も手前まで引き出せるので、どんなものが入っているか、ひと目で把握できます」と奥様。
以前はカウンターに並んでいた電動歯ブラシ、美容系のグッズなどもすべて収納できました。「引き出しのこちらは私、一段上は娘、としまう場所も分けています。しまう場所が定まっているので、あちこち探し回る手間が省けます。ヘアケアもスキンケアもスピーディーにこなせるようになりました」(奥様)。
出入り口脇のトールキャビネットも「エスクア」の扉と色をそろえて造作。室内全体がカラーコーディネートされ、意匠性が高まりました。
「とても素敵な空間になりました。お客さまにも気持ちよく使っていただけます」(奥様)。
「エスクア」の面材と色をそろえて造作されたトールキャビネット。収納量は十分ありながら、巧みなカラーコーディネートによって内装になじみ、圧迫感が軽減されています。
また、床にはしっかり断熱材を施工しました。洗面脱衣室専用の暖房機も設置し、冬の底冷えはすっかり解消されることに。湯上がり後もゆっくり身支度できるようになりました。
「シンラ」は断熱性が高く、浴室暖房機もあるため、冬も暖かく快適な入浴が楽しめます。「夫は浴槽でゆっくり読書する習慣があります。リフォームしてからは娘も入浴時間が長くなりました(笑)。入浴することじたいが、家族の一日の楽しみになっていますね」(奥様)。
満足のいくリフォームになったのも、建設会社の中川さんと一緒に家族全員でじっくりプランを検討したからこそ。家族それぞれ勤務する場所や生活時間が異なるので、顔を合わせるのは難しいもの。そこで、何か決めることがあると、SNSで共有し家族で話し合っていたそうです。
「子どもたちも成長してそれぞれの価値観があります。あらためてそのことを実感しましたね。最終的にはみんなが納得できるプランになったので、こだわってよかったと思います」と奥様。
リフォームを通じて、住まいも家族の関係も見直すことができたAさん一家。快適な水まわりは、わが家の歴史の新たな1ページの始まりとなりそうです。
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