新型コロナウイルス感染症の流行は、訪日外国人観光客(インバウンド)の衛生意識にどんな変化をもたらしたのでしょうか。TOTOの調査から、インバウンドの意識変化や、公共トイレに期待する役割を読み解きます。
調査概要
調査時期:2023年9月12日〜19日、2023年11月16日〜27日/調査方法:インターネット調査/調査内容:訪日外国人観光客の訪日中の公共トイレについての意識調査/調査結果:1000名(選定5地域※、各200名) ※欧州(英国)、米・豪州、東アジア(中国)、インド、東南アジア(シンガポール)
Q.新型コロナウィルス感染症の流行の前後を比較したとき、右の項目について、あなたご自身に変化があったかどうかについてお知らせください。
調査では訪日中のインバウンド1000人に対して、新型コロナウイルス感染症の流行の前後を比較したとき、自分の意識がどのように変わったと感じるかを聞きました。このうち、公共トイレの清潔度合いについて尋ねた問いでは、「清潔度合いをさらに気にするようになった」と答えた人の割合は「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせて93%に上りました。
新型コロナウイルス感染症への不安は以前よりもやわらいだものの「より清潔でありたい」との意識がコロナ禍前よりも高まっていることが見て取れます。
このほか「公共トイレの設備の新しさをさらに気にするようになった」と回答した人は約87%、「外出中に頻繁に手を洗うようになった」と回答した人は約87%でした。
Q.あなたが日本の旅行中に利用するトイレには、温水洗浄便座を設置してほしいと思いますか。
調査概要
調査時期:2018年7月12日/調査方法:街頭調査(京都市内) /調査人数:150名※/調査対象:訪日外国人観光客で観光地または移動にかかる周辺施設の公衆トイレを利用した人※地域;東アジア(韓国/中国/台湾/香港)、東南アジア(タイ/シンガポール/マレーシア/インドネシア/フィリピン/ベトナム)+インド、欧米豪(アメリカ/オーストラリア/カナダ/イギリス/フランス/ドイツ/イタリア/スペイン)
コロナ禍前後を比較すると、温水洗浄便座の設置を求める声が高まっています。TOTOでは2018年にもインバウンド向けの意識調査を実施しています。今回(2023年調査)と2018年調査でともに「訪日中に利用するトイレには、温水洗浄便座を設置してほしいか」と尋ねたところ、2018年調査では「設置してほしい」の声が55%だったのに対して、2023年調査では88%にまで上昇しています。
2023年調査を地域別でみると、欧州地域を代表して英国が80%、米・豪が74%、中国が96%、インドが96%、シンガポールが94%と、特にアジア圏で強いニーズが見られました。両調査は調査手法などが異なるため単純比較はできないものの、一連の調査からインバウンドが公共トイレに求める清潔さや快適さの水準はコロナ禍を経て高まっているといえそうです。
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