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藤村龍至展 ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用

藤村龍至講演会「ちのかたち」 CPD認定プログラム
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日時
2018年8月9日(木) 17:30開場、18:30開演、20:30終演(予定) 開催終了
会場
イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定員
500名/参加無料
参加方法
事前申込制:申込期間内にTOTO ギャラリー・間ウェブサイトよりお申込みください。
お申込期間:2018年6月5日(火)~ 7月17日(火)
応募者多数の場合、抽選の上、2018年8月2日(木)までに結果をご連絡いたします。
講演会開催報告
「ちのかたち」と題した今回の講演会は、藤村龍至氏作品の説明を軸としながら、その背景にある歴史的視点、建築教育の可能性、社会において建築が担う役割など、設計だけでなく評論やシティマネジメントに携わる藤村氏ならではの、起伏に富んだ内容となりました。
冒頭では、東日本大震災を経て現在建設が進む小さな復興拠点「小高パイオニアビレッジ」を紹介。福島の復興という大きな課題に対し、7年という時間をかけてようやく建築の問題として取り扱えるようになったという自身の経験を基に、分かったことから「かたち」に置き換え全体像を定めていくタイムラインの考え方について説明しました。その後も、新刊書籍『ちのかたち』の章立てに沿いながら講演は進み、与条件をひとつずつ「かたち」に反映していく独自の設計手法「超線形設計プロセス」、産・官・学で連携し、限られた投資額のなかで公共建築のあるべき姿を検討する「鶴ヶ島プロジェクト」を例に、集団で設計することの意義について論じました。
講演会の終盤では、縦軸(スケール)=個人/集団/計算、横軸(ツール)=記号/連続というマトリックスを用いながら自身の作品を整理し、知識と形態の関係「ちのかたち」のバリエーションを提示。その中で、計算×連続にカテゴライズされた「Deep Learning Chair」という、本展覧会のために制作したAI(人工知能)の深層学習でかたちを生成した作品を通じて、人間と機械がパートナーとなり設計する時代の建築家のありかたについて、会場へ問いを投げかけました。最後は「ちのかたち」を帰納法の新しいバリエーション=「帰納的飛躍」の連続と再定義し、今回の展覧会に込めた考えや展望を交えながら、藤村氏の思想を凝縮した講演会を締めくくりました。(主催者記)

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