特集/ケーススタディ3

「小規模分譲マンション」に建築家を提案
定番デザインからの脱却 メックecoライフ ホームページへ 飯田善彦建築工房 ホームページへ

―― 今回、三菱地所が飯田善彦さんを起用して、たった9戸の分譲マンションをつくったと聞いて驚きました。どうも仕掛け人の平生さんという人がただ者ではないらしいとわかり(笑)、さっそく押しかけた次第です。まずは平生さんの経歴をお聞かせください。
平生進一 大学では社会工学科で都市計画を学びました。卒業後、三菱地所に入り、最初の10年はニュータウン、次の10年はリゾートの開発に携わり、次がマンションです。当初は5人でスタートした商品企画室で、品質管理の仕組みをつくったりしてきました。
―― 商品企画室長時代、部署内でマンションのここが気に食わないという点を挙げる活動をして、254も数え上げたそうですね。大手ディベロッパーの社員でそんな人は珍しいですよね(笑)。
平生 「マンションっておかしいよ。なんで玄関ドアの色が全部同じなんだ」とか、「表札もかっこ悪い」と僕が言い出したら、そんなこと言うなら僕だって、私だってということで、それが254にもなってしまった(笑)。そのときの考え方は今度のプロジェクトにも生かされています。今はその商品企画室も150人の商品企画部になりましたが、僕は2009年に卒業して、三菱地所が別会社として設立した今の会社の社長に就任し、また少数部隊から再出発したところです。メックecoライフというのは、三菱地所グループにおける環境に配慮した住宅づくりを推進する会社です。
―― その新会社がエコマンションとして開発したのが、この「パークハウス吉祥寺OIKOS(オイコス)」というわけですね。プロジェクトが始まったきっかけは?
平生 じつは最初は、エコの設備を既存の建物に張り付ける程度でいいかと考えていたんですが、ある人にその話をしたら、「三菱地所がそんな半端な仕事をしたらいかん!」と真顔で怒られまして(笑)。それをきっかけに、考えはじめた矢先に飯田さんと出会ったんです。いろいろ話すうちに、せっかくつくるならただ設備を満載するのではなく、こいつはちょっと今までのマンションとは違うなという新しい箱の中に鋳込まないと、誰にも見向きされないかもしれない、と思うに至ったわけです。
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