きめ細かな検証が大きな進化を生む

 省エネという点では、ほかにも節水や節電のためのさまざまな最新技術を盛り込みました。たとえば、先ほどの給水圧の自動学習と似ていますが、「おまかせ節電」という機能を搭載しており、家庭ごとによく使う時間帯とあまり使わない時間帯を8日スパンで学習し、使わない時間帯には自動的に節電モードになります。
 また、節電に関しては、ふたが小さいRHタイプのみ、これまで便座だけに入れていた断熱材をふたにも挟むことで保温性を向上させ、使っていないときの無駄な放熱を大幅に低減しています。
 一方、節水については、今回リモコンに新たにeco小」ボタンを追加しました。これまでは4.8Lの「大」と4.0Lの「小」ボタンの2種類でしたが、eco小」は「小」よりさらに少ない3.8Lの水を流します。ペーパーを流さない男子小用時や掃除の後なら、これで十分事たりますから、うまく使い分ければ馬鹿にならない量の水を節約することが可能です。たとえば家庭内に男性がふたりいた場合、1日6回男子小用時に「小」でなく、eco小」を使えば、年間にしてペットボトル(2L)219本分もの節水ができるのです。
 もちろん、ウォシュレットの機能についても、いくつか改良を行いました。そのひとつが「新ワンダーウェーブ洗浄」です。従来の「ワンダーウェーブ洗浄」というのは、1秒間に70個の水玉を出す方法でした。というのも、家庭用コンセントからとれる電力は最大1200Wで、そこから割り出すと、瞬時にお湯に変えて使える水の量はわずか430ml。その量で十分な洗浄力を出すには水玉をつくるのがベストです。ただ、これまでは水の量感が少ないという声が少なからずあったため、改良を重ねた結果、量感を感じさせる「大玉」と、洗浄の力強さを感じさせる速い「小玉」を交互に出す方法にたどり着きました。1秒間に大小各50回、計100個の水玉を出している勘定です。
 以前と比べて変わったと気づかない人もいるかもしれませんが、トイレに関する技術をつねに進化させ、商品の質をさらに向上させていくのがTOTOの使命ですから、今後も取り組むべき課題ですね。節水にしても、たった700ml減っただけかとお思いの方もいらっしゃるでしょうが、環境を守るというグローバルな視点から考えると、日本のトイレにとって大きな一歩だと思います。

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