まず取り組んだのが、節水へのさらなるチャレンジです。
そもそも何が排水の際の洗浄能力を左右するかというと、サイホン作用をいかに強くするかが案外重要なんです。これまで、便器洗浄の節水を達成するために付けた排水ソケットを改良して、その作用を強くできないかと模索してきましたが、一方でコンピュータで解析したところ、排水管の角度をゆるやかにすると洗浄能力も向上することがわかりました。それで、管の傾斜を変え、陶器部分を一からつくり直すことにしたわけです。
この結果、壁排水のリモデルタイプを除く9割以上のハイブリッドシリーズが、洗浄水量4.8L(図)という国内最少の超節水を達成しました。実際には現場によって給水圧が異なり、そんなに少ない水できちんと流れるのか不安に思われるかもしれませんが、水がタンクに溜まる時間からその家の水圧を読み取って、水量バランスを微妙に変えながら個々の家庭に合った洗浄を行うという自動学習機能を備えているので、使いはじめてしばらくすると、どの家でも4.8Lという少ない水でしっかり流れるようになります。