特集1/対談

ネット時代の建築家像

小川 昔、インターネットができる前は、広島で仕事をしていても、なかなか全国につながっていかなかったですね。ネットが普及して、急速に全国から仕事が来るようになりました。
鈴木 全国に、おおげさにいえば世界を相手につながれると。
小川 そうですね。ずいぶん変わったなという実感があります。「36M HOUSE」の建主さんも、本で調べて、ネットでチェックして、電話されたんです。
鈴木 そうか、いろんな情報を集めて、ネットで調べて、いよいよ声を聞くと。
小川 最近はそういう方が多いですね。私がつくるのは、誰にでも好まれる空間ではないので、広島だけではそれほど依頼はないと思うんです。ただ、全国になるとアクセスしてくれる人が多くなって……。そういう時代なのかなと思います。それは、われわれのテイストに限らず。
鈴木 そうすると、今までの建築家は、いわゆる地場の専門家、この町の専門店という感じだったけれど、これからはあるタイプの専門店だと。うちの料理は全国どこでも召し上がっていただけます、という感じの建築家が出てくる。そういう特化の仕方、そういう広がり方というのが、これからはありえるんでしょうね。
小川 そうですね。事務所をどこに置くかは、それほど問題ではなくなってくるように思います。
  • 前へ
  • 6/7
  • →
  • Drawing
  • Profile
  • Data

TOTO通信WEB版が新しくなりました
リニューアルページはこちら