今年のトイレ川柳の最優秀賞は、『トイレまで追ってきた子が出ていく日』に決定いたしました。児の成長は、日々のさまざまな行動様式の変化に見られますが、母親に頼り切って、トイレにまで追ってきた児が独立して行くという。その日の想い。やはり寂しい。トイレをテーマとして、このような、親の心の動きを深く味わう表現が成立したことを喜びたいです。なお、川柳は短詩です。報告や、説明ではありません。「寂しい」と語らずに、「…出ていく日」で止めたところが秀逸。仲畑貴志賞は、笑える句、オチャメな句が選ばれやすい。『今いちばん嫌いな言葉「使用中」』には笑いました。ちなみに、私の好きな言葉は「入金」です。中学生・高校生賞では、『「入ってる?」「入ってないよ!」と中の声』というシュールな句が目を惹きました。これ、ありそうなところが、コワイですね。キッズ賞では、『ぜったいにゆうしょうしそうなウンチでた』に注目。なんたって、優勝してしまいそうなウンチなんだから。「どんなんや?」と、突っ込みが入りそうなところが、愛らしい。今年のテーマ賞である、私のきれい・私の快適賞は『ありがたい男子トイレにおむつ台』。いい時代ですね。さて、今年も、実に人間らしいつぶやきが寄せられました。人間なんだから、うかつだったり、弱みが出たり、おっちょこちょいだったり、あらま!だったり、間違いがあるのです。機械じゃないんだからね。川柳は、やわらか~い気持ちでたのしんでくださいませ。