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空間術講座07


「トランス・アーキテクチャー
 明日、建築はどこにいるのか?」

'99年6月1日〜6月12日

 さまざまな局面で旧来の枠組みが急速に揺らぎつつある現在、<建築>もまた、個々の建築物や作家性といった観点からだけでは、十分に捉えることができなくなっています。輪郭は今、揺らぎ続け、今後、それがどこかに落ち着くものかさえ、予測がつかないといえるでしょう。
 しかし、この揺らぎ続ける界面こそが、新たな<建築>の輪郭を、つまりは明日の<建築>の輪郭を、生み出しているとも考えられます。この界面領域を、あえて「トランス・アーキテクチャー」と捉えてみる。それは<建築>と他領域の相互越境の現場であり、新たな境界形成の現場でもあります。ボーダーレスといわれ、すべてがなしくずし的に一様化されていく現状ですが、トランス・アーキテクチャーの視点とは、ボーダーレス化ではない。今、生まれつつある新たな生息場所(ニッチ)を、きっぱりと認めることなのです。
 この新たな領域ではすべてが揺らぎ続け、何が起こっているのか、全体を正確に把握することはできません。今、私たちにできるのは、個別解を見ていくことだけでしょう。だからまず、私たちはこの界面領域で活発に活動を続ける人々、いってみれば<建築>の“越境者”たちとの対話から始めたいと思います。それは<建築>の今日と明日の姿を、<建築>の内部から語るのではなく、外部との動的な関係のなかで探し求める、ひとつの旅の試みでもあるのです。
芹沢高志/ナビゲーター

講演会 : 「トランス・アーキテクチャー 明日、建築はどこにいるのか?」
  プログラム
日程 講師およびタイトル
Vol.1
6月 1日(火)
A−activity(建築家)
「コラボレーション<活動×建築>」
Vol.2
6月 2日(水)
中村政人(美術家)
「都市へのアプローチ コマンドNと秋葉原TV]
Vol.3
6月 3日(木)
隈研吾(建築家)
「反オブジェクト」
Vol.4
6月 4日(金)
津村耕祐(ファッションデザイナー)
「FINAL HOME = 建築から被服へ」
Vol.5
6月 5日(土)
小山田徹(アーティスト)
「ミニマル・プライベート − ウィークエンドカフェの運営を通して」
Vol.6
6月 7日(月)
五十嵐太郎(建築史家)
「横断する批評 − 建築・音楽・エヴァンゲリオン」
Vol.7
6月 8日(火)
ナンシー・フィンレイ+千葉学(建築家)
「身体から建築へのランドスケープ]
Vol.8
6月 9日(水)
岡正明(建築家)・暦本純一(理学博士)
「情報化する空間、空間化する情報」
Vol.9
6月10日(木)
アストリッド・クライン+マーク・ダイサム(建築家)
「“Deluxe”にみるジャンルの融合」
Vol.10
6月11日(金)
梅林克(建築家)・藤脇慎吾(グラフィックデザイナー)
「F.O.B HOMESにみる新しい建築流通システム」
Vol.11
6月12日(土)
総括
芹沢高志(アート・環境デザイナー)
「トランス・アーキテクチャー・クルーズ」


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