TOTO

アンサンブル・スタジオ展 Architecture of The Earth

アンサンブル・スタジオ展ギャラリートーク
「Form, Structure, and Space of Nature」
アンサンブル・スタジオ展に併せ、オンラインのギャラリートークイベントを企画しました。
第1回は、ナビゲーターに建築史家のセン・クアン氏を迎え、アンサンブル・スタジオのアントン・ガルシア=アブリル氏、デボラ・メサ氏がスペインから参加し、建築家・藤本壮介氏と対談します。
第2回は、建築家・山道拓人氏のナビゲーションにより、アンサンブル・スタジオのさまざまな側面を若手建築家やデザイナーの視点を通して多角的に読み解いていきます。
展覧会と併せてぜひお楽しみください。
テーマ、出演者
第1回
テーマ:
How Heavy? How Light?



出演:
アントン・ガルシア=アブリル、デボラ・メサ(建築家。アンサンブル・スタジオ)
藤本壮介(建築家。藤本壮介建築設計事務所)
ナビゲーター=セン・クアン(建築史家。東京大学特任准教授、『a+u』誌チーフ・エディトリアル・アドヴァイザー)
【ナビゲーターからのメッセージ】
アンサンブル・スタジオと藤本壮介氏の作品は、交差するところが多いように見えます。
どちらも、構築されたフォームの中に、環境 (地球、空気、光) に対する視点が感じられます。
彼らの作品は時に重力に逆らい、時にはそれを受け入れます。作品の見せ方にも共通点があります。
革新的な建築を生み出すそれぞれの建築家の発想の源泉に迫り、さらに先の時代の建築を展望していければと思います。

セン・クアン
第2回
テーマ:
テクトニクスのありか



出演:
澤田航橋村雄一(建築家・Sawada Hashimura主宰)
狩野佑真(デザイナー・ studio yumakano 主宰)
ナビゲーター=山道拓人(建築家・ツバメアーキテクツ代表/法政大学山道拓人研究室主宰)
【ナビゲーターからのメッセージ】
産業社会において、建築を考える際には、法規、権利、リスク、ファイナンスなどの条件が複雑に絡み合い、目の前の事物に直接触っているようで触れないことがほとんどではないでしょうか。アンサンブル・スタジオのプロジェクトからは、建築家が事物に対し、できる限り「ゼロ距離」でアプローチをするための様々な試行錯誤を読み取ることができます。

  そういった事物との社会的距離感の中に、建築家やデザイナーが自分たちの重心を、どこに位置付けるか、というテーマで議論するため本鼎談に「テクトニクスのありか」というタイトルを与えました。事物との距離感を慎重に選択し、様々に実験していると私自身が感じている、Sawada Hashimura (澤田航氏、橋村雄一氏) やデザイナーの狩野佑真氏に集まっていただき、アンサンブル・スタジオの複眼的なアプローチに着目しながら、これからの建築について議論を行っていきます。

山道拓人
ギャラリートーク ゲストプロフィール
藤本壮介(ふじもと そうすけ)
1971年北海道生まれ。
東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、2019年、津田塾大学小平キャンパスマスタープラン策定業務のマスターアーキテクトに選定、2020年、2025 日本国際博覧会の協会事務局会場デザインプロデューサーに就任。2021年には大分空港海上アクセス旅客ターミナル建設工事基本・実施設計業務 最優秀者に選定される。
主な作品に、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013 (2013年)、House NA (2011年)、武蔵野美術大学 美術館・図書館 (2010年)、House N (2008年) 等がある。
©︎David Vintiner
セン・クアン
1976年生まれ。
2011年ハーバード大学大学院博士課程修了。現在、米ハーバード大学デザイン大学院講師、東京大学国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)特認准教授。専門は日本現代建築史。2021年より『a+u』誌チーフ・エディトリアル・アドヴァイザー。手がけた主な展覧会に、”Utopia Across the Scales: Highlights from the Kenzo Tange Archive” (2009年、Harvard University GSD)など。主な編書に『Kazuo Shinohara: Traversing the House and the City』(2021年、Lars Muller Publishers)など。2019年グラハム財団賞など受賞多数。
山道拓人(さんどう たくと)
1986年
東京都生まれ
2009年
東京工業大学工学部建築学科卒業
2011年
同大学大学院 建築学専攻 修士課程修了
2011年
Tsukuruba Inc. チーフアーキテクト(~ 2013年)
2012年
Alejandro Aravena Architects/ELEMENTAL
2013年
ツバメアーキテクツ設立2013年 横浜国立大学大学院建築都市スクールY-GSA非常勤教員
2015年
東京理科大学非常勤講師
2018年
同大学大学院 博士課程 単位取得満期退学
法政大学非常勤講師
江戸東京研究センター客員研究員
東京理科大学共同研究員
2020年
Under 35 Architects exhibition 2020 Toyo Ito Prize
LOCAL REPUBLIC AWARD 優秀賞
現在
ツバメアーキテクツ代表取締役社長
法政大学 デザイン工学部建築学科 山道拓人研究室主宰
江戸東京研究センター プロジェクトリーダー
住総研客員研究員
Sawada Hashimura
澤田 航 (さわだ わたる)
Central Saint Martins (London, 2007-2008), AA School of Architecture (London, 2008-2011 )にて建築を学ぶ。帰国後、能作文徳建築設計事務所に勤務したのち、2015年にSawada Hashimuraを設立。
2016年~2021年 東京藝術大学建築科教育研究助手(北川原温研究室、青木淳研究室)。現在、桑沢デザイン研究所非常勤講師、京都造形芸術大学非常勤講師。
橋村 雄一(はしむら ゆういち)
多摩美術大学 (2004-2008 )、University of East London (2008-2010 )にて建築を学んだ後、Tony Fretton Architects (2010-2011 ) 、Carmody Groarke (2012 ) 、新素材研究所 (2013-2018 ) に勤務。2015年にSawada Hashimuraを設立。一級建築士。
狩野佑真(かのう ゆうま)
1988年栃木県生まれ。東京造形大学デザイン学科室内建築専攻卒業。アーティスト鈴木康広氏のアシスタントを経て2012年にデザイン事務所「studio yumakano」を設立。ネジ1本からプロダクト・インテリア・マテリアルリサーチまで、実験的なアプローチとプロトタイピングを重視したプロセスを組み合わせて、様々な物事をデザインの対象として活動している。主な受賞にグッドデザイン賞、IFFT ヤングデザイナーアワード、German Design Awardなど。
©Haruka Aoki
TOTO出版関連書籍
著者=アンサンブル・スタジオ:アントン・ガルシア=アブリル、デボラ・メサ