展覧会コンセプト
夢のジオグラフィー
「私たちにとって人生とは夢であり、建築とは夢を見るための道具である。私たちは夢と建築を通して、真に重要な現実を創造することができる。そのような夢を通して、私たちは人生をたどっていくのだ。」
この展覧会は「夢のジオグラフィー」というタイトルのもと、私たちRCRアーキテクツの歩みと「夢」というコンセプトを示すものである。データや図面、コンセプト・スキームなど基本的な説明に始まり、旧友で写真家の鈴木久雄氏の視点を通じて制作された代表作品の映像へと続き、RCRが建築をどのように理解しつくっているのかを紹介する。その後、「夢のジオグラフィー」として今後何年もかけてたどり着こうとしている私たちの夢、宇宙観(コスモロジー)を体現したプロジェクト「ラ・ヴィラ」の中へと入っていく。
「ラ・ヴィラ」は、森林と水の流れ、そして記憶の住まう土地(ジオグラフィー)であり、その場所は私たちを、開かれた研究の場(ラボラトリー)の創作とその探求へとつき動かした。それは人間の知覚に対する意識を変容させ、新しい関係性や行動を促すことのできるような、横断的で総合的、そして可能な限り最も本質的で根本的な方法でつくられた研究の場となるだろう。
さらに「ラ・ヴィラ」をともに進めている奈良県吉野町の人びとや吉野の森をはじめ、2017年に訪日した際にめぐった各地の旅の体験をまとめたドキュメンタリー映像、テキスト、そして描画(スケッチ)を通じ、RCRと日本との長年にわたる交流を紹介したい。
RCRアーキテクツ