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田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future―Search & Research

田根 剛講演会「Archaeology of the Future―未来の記憶」CPD認定プログラム
開催終了しました
日時
2018年10月20日(土) 17:30開場、18:30開演、20:30終演(予定)
会場
イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定員
500名/参加無料
参加方法
事前申込制:申込期間内にTOTO ギャラリー・間ウェブサイトよりお申込みください。
お申込期間:2018年8月22日(水)~ 9月25日(火)
応募者多数の場合、抽選の上、2018年10月12日(金)までに結果をご連絡いたします。
講演会開催報告
パリを拠点に世界で活動する若き建築家、田根剛氏の講演会は、2館連携の展覧会についてと、これから建築が向かっていくことの2つを中心に話が進みました。
田根氏にとって今回の展覧会は東京オペラシティ アートギャラリーとTOTOギャラリー・間で連携し、同じテーマで開催するという非常に大きなチャレンジでした。テーマは田根氏が長年考えてきた「未来をつくるために我々には記憶がある」という想いを込めて「Archaeology of the Future」となりました。展覧会は時代を切り取る重要な表現形式と捉えた時に、建築作品やプロセスの紹介にとどまるのではなく、この時代を自分達がどのように考え表現できるかを、コンセプトを考えたり実験をしたり、その結果デザインの強度が増したり、という日々の建築活動を通じてリアルに見せています。
後半は主なプロジェクトの経緯・設計の狙い・プロセスなどが具体的に語られました。
26歳で国際コンペ最優秀賞となった「エストニア国立博物館」は、国家プロジェクトに外国人が関わり、かつ負の遺産である軍用滑走路を民族の記憶に直結するシンプルで大胆な構想であり、現地の人びとの理解を得て建設することには大変な苦労があったとのことです。建築家は設計・ビジョンを示すだけでなく決断をする、見えない未来を言い切ることで未来をつくることができるのだと、考えさせられる場面となりました。
他にも「新国立競技場案」、「古墳スタジアム」、「弘前市芸術文化施設」、「Todoroki House in Valley」、「LIGHT is TIME」など、大きなプロジェクトから、住宅やインテリアデザイン、インスタレーションなど小さなプロジェクトまで、すべて同じエネルギーで取り組んでいることが伝わりました。
時間は常に流れていて、遠い過去の時代から未来へとつながる。我々は「記憶」を持ち、それをつなぎ続けることによって、その意味を世代から世代へとつないでいく。単体ではなく、場所や空間、時間や記憶というものを統合したところに「建築」というものがあるのではないかと日々考えている、という言葉で締めくくられました。(主催者記)

TOTO出版関連書籍
著者=田根 剛
著者=田根 剛, 瀧口範子