ギャラリートーク開催報告
平田晃久氏と構造エンジニアの金田充弘氏、建築史の第一人者である藤森照信氏が、これからの建築にどのように新しさの可能性を見出していけるのか、その展望を熱く語り合いました。
第1回:金田充弘×平田晃久 「新しい構造」
10年間にわたり協働してきたふたりが、実作とコンペ案による挑戦の数々を紹介。さまざまな他者を受け入れながら 〈からまりしろ〉 の大らかな枠組みを構築しようとする平田氏と、そのビジョンを最適解でかたちにしてきた金田氏。デジタルとアナログの両方のメリットを融合し、人が建築と能動的にかかわる仕組みをデザインすることで、建築が更新されながら生き続ける豊かさを実現したい、と語り合いました。
第2回:藤森照信×平田晃久 「新しい伝統」
名建築史家として幾人もの建築家の生涯を見続けてきた藤森氏が、平田氏の建築観を歴史的視点で評論。近作「Tree-ness House」と「Overlap House」を実際に訪れた印象から平田氏を「ごちゃごちゃ系」と名付けながらも、「自然現象の摂理を建築で説明することができた、初めての建築家」と評価。それを受けて平田氏は、「新しい伝統とは、建築にこれまでとは別の広がりを見出していくこと。自分はワークショップなどを通じて他者性を取り込むことで、自然の質をもった建築を生み出したい」と語りました。