TOTOは、東洋陶器株式会社という社名で1917年(大正6年)に創立しましたが、
これまで衛生陶器には次のような商標を用いました。
1912年(明治45年)、陶磁器製品の製造・販売を行っていた日本陶器合名会社(現 ノリタケカンパニーリミテド)社長の大倉和親が、衛生陶器を開発するために同社内に製陶研究所を設立したことに始まりました。
1914年(大正3年)に腰掛式水洗便器の開発に成功。東京と大阪で試験販売した衛生陶器には、地球を中心にして外側のボーダーに「NIPPONTOKI GOMEI KWAISHA」と記し、その上部を月桂樹が取り巻いた商標が使用されました。
1917年(大正6年)に創立した東洋陶器株式会社が最初に使用した商標です。
当時の我が国は下水道がほとんど整備されていなかったことから、需要を確保するためには衛生陶器を外国へ輸出する必要がありました。
そこで、当時の商標には外国で理解しやすいようにリボンのなかに東洋陶器株式会社を英訳した「ORIENTAL CERAMIC WORKS LTD」と表記し、上部にはその頭文字の「OCW」を使用したモノグラムを配置しました。
地球の上に大鷲が立った絵の外側に「ORIENTAL CERAMIC WORKS LTD」の文字を配したデザインの商標です。
地球の上に立った大鷲のデザインは世界に向けてはばたくという会社の思いを表したもので、製品の品質が安定してきた1921年(大正10年)から商標に採用されました。
1928年(昭和3年)からの商標には、社名である東洋陶器を使用するようになり、「TOYO TOKI」と表記しましたが、品質の優れた高級品には(左)を、大衆品には(中央)のデザインを採用しました。
また、第二次世界大戦中及び終戦直後には、CO.LTD.が敵国の言葉であることから、「KAISHA」と表記しました。
「東洋陶器」のイメージ強化を図るため、製品によって異なっていた商標を1962年(昭和37年)に統合。
このとき水栓金具などの小さい製品にも使用できる文字だけのデザインとなりました。
電車や自動車などにより早く移動するスピード社会が到来。これらの乗り物から看板やネオンを見たときに読みやすくするとともに、その当時一般に使用されることが多かった「東陶」という会社の呼び方との整合を図るため、1969年(昭和44年)に現在の商標に変更しました。
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