2023年3月3日
水道水の電気分解で除菌性能をもたせた「きれい除菌水」でノズルを自動的に洗浄します。
きれいなノズルをつねに自動で保ち、ウォシュレットをさらに進化させる機能となりました。
トイレ空間の圧倒的な清潔感は、どうしたら得られるのだろうか?「きれい除菌水」の開発はそのような疑問からスタートしました。あるとき、開発者の奥様がまな板を除菌している様子を見て、ヒントを得たのです。まな板の黒ずみをリセットする漂白剤。この漂白剤の役割をウォシュレットにも搭載できないかと考えたのが、開発の発端でした。
「きれい除菌水」の開発にあたって、「ノズルに求める清潔さ」について様々な議論が交わされました。
「すでにきれいなのに、これ以上お金をかけてまでやる意味があるのか?」「きれいと言うならば、ノズルをくわえることができるの?」「そこまでのレベルは求めてない」など。
ノズルに求める清潔さに関して、それぞれ個人差があることに気づけたということが商品化実現の大きな要因となったのです。
さらに女性のみなさんが応援してくれたことも商品化の推進力となりました。温水洗浄便座に関する調査では、「公共のトイレでは温水洗浄便座は使わない」といった女性の意見もあり、改めて開発の意義を確認することができました。
ノズルを清潔にするには、洗剤タンクを設置すればいいのですが、洗剤の交換が大変だったり、何千万個ものトイレから洗剤が流されることで環境に負荷をかけてしまうなど、様々な問題がありました。
そこで、もともとある水道水で何とかできないかと考え、「水道水の電気分解」という方法を模索しはじめたのです。
そもそも水道水には塩化物が含まれています。海水ほど濃度は高くないものの、この塩化物を電気分解すると、市販の漂白剤と同じ成分である「次亜塩素酸」ができるのです。この次亜塩素酸は衛生薬剤のなかでは、人体への影響がきわめて低いと言われています。つまり、水を電気分解することで、漂白・除菌性能が生まれるということなんです。
そしてもうひとつの大きな特長が、電気分解した水は放っておくと、また元の水に戻るということ。洗剤と違って、時間がたつと水に戻る「きれい除菌水」は、いわば環境負荷が少ない技術といえるのです。
また、除菌性能が十分発揮できるレベルでも、使う電気はごくわずか。
低コストで実現できることも「きれい除菌水」の大きな強みです。
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