私たちにとって「POLITICS OF LIVING」とは、小さな自治空間を生み出す力学のことをいいます。「LIVING」とは、直接触れられる相互関係の中で日々経験することを指しており、「POLITICS」とは、間接民主制による中央集権的な仕組みではなく、もっともっと小さく局所的な⾃治空間を意志と妥協をもって創造する⼒であり、情報や統計や未来予測によって平準化されていく⽣から、さまざまな特異性に満ちた個々の「⽣」を、私たち⾃⾝で⾃律的に⽣み出す⼒です。私たちの地べたの暮らしから、ともに⽣きる術を⼿に⼊れよう。私たちの日々の実感を伴った具体性を頼りに考え、⼿を動かしてつくり出そう。どんな⼩さなものでも、場所でも、ほんの一部でも、それは私たちの暮らしと繋がっている。建築は、皆に開かれています。 ドットアーキテクツは、⼤阪市南部の工場地帯に建つ廃工場跡に拠点を構え、さまざまな出会いで得られた顔の⾒える多様な仲間たちや⾝近な資源とともに、この「⽣きるための⼒学」を携えて、建築の設計や施工はもちろん、出来事、映画、舞台、パフォーマンス、余暇、バーの運営、畑仕事など多岐にわたる活動を通じて、誰もが分け隔てなく参加できる場づくりを⾏なっています。 ドットアーキテクツの活動を通して、私たちの暮らしや楽しみを貨幣で交換可能なサービスだけに委ねず、資本が⽣み出す洗練された創造物に慣れた⾝体を脇に置いて、「この程度なら⾃分たちでできるじゃないか。とりあえずいっとこ︕」と⾃信をつけてもらいたい。そんな場のひとつを、今回の展覧会でも実現したいと考えています。