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ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学

展覧会コンセプト
POLITICS OF LIVING 生きるための力学

私たちにとって「POLITICS OF LIVING」とは、小さな自治空間を生み出す力学のことをいいます。「LIVING」とは、直接触れられる相互関係の中で日々経験することを指しており、「POLITICS」とは、間接民主制による中央集権的な仕組みではなく、もっともっと小さく局所的な⾃治空間を意志と妥協をもって創造する⼒であり、情報や統計や未来予測によって平準化されていく⽣から、さまざまな特異性に満ちた個々の「⽣」を、私たち⾃⾝で⾃律的に⽣み出す⼒です。私たちの地べたの暮らしから、ともに⽣きる術を⼿に⼊れよう。私たちの日々の実感を伴った具体性を頼りに考え、⼿を動かしてつくり出そう。どんな⼩さなものでも、場所でも、ほんの一部でも、それは私たちの暮らしと繋がっている。建築は、皆に開かれています。
ドットアーキテクツは、⼤阪市南部の工場地帯に建つ廃工場跡に拠点を構え、さまざまな出会いで得られた顔の⾒える多様な仲間たちや⾝近な資源とともに、この「⽣きるための⼒学」を携えて、建築の設計や施工はもちろん、出来事、映画、舞台、パフォーマンス、余暇、バーの運営、畑仕事など多岐にわたる活動を通じて、誰もが分け隔てなく参加できる場づくりを⾏なっています。
ドットアーキテクツの活動を通して、私たちの暮らしや楽しみを貨幣で交換可能なサービスだけに委ねず、資本が⽣み出す洗練された創造物に慣れた⾝体を脇に置いて、「この程度なら⾃分たちでできるじゃないか。とりあえずいっとこ︕」と⾃信をつけてもらいたい。そんな場のひとつを、今回の展覧会でも実現したいと考えています。
ドットアーキテクツ
出展者プロフィール
ドットアーキテクツ / dot architects
家成俊勝、赤代武志により2004年共同設⽴。⼤阪・北加賀屋にて、分野にとらわれない人びとや組織が集まる「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらずさまざまな人との協働を実践している。設計だけに留まらず、現場施工、リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなどさまざまな企画にも関わる。
写真左より 勝部氏、土井氏、宮地氏、池田氏、赤代氏、家成氏
※写真は2023年3月時点
家成 俊勝(いえなり としかつ)
1974年 兵庫県⽣まれ。
関⻄⼤学法学部法律学科卒。⼤阪工業技術専門学校夜間部卒。
専門学校在学中より設計活動を開始。
京都芸術⼤学空間演出デザイン学科教授
赤代 武志(しゃくしろ たけし)
1974年 兵庫県⽣まれ。
神⼾芸術工科⼤学芸術工学部環境デザイン学科卒。
北村陸夫+ズーム計画工房、宮本佳明建築設計事務所を経て設計活動を開始。
⼤阪工業技術専門学校特任教員
京都芸術⼤学環境デザイン学科 非常勤講師
⼤阪市⽴⼤学⽣活科学部居住環境学科 非常勤講師
土井 亘(どい わたる)
1987年 神奈川県⽣まれ。
慶応義塾⼤学政策・メディア研究科修士課程修了。
studio mumbai architects を経てdot architects 参画。
池田 藍(いけだ あい)
1979年 奈良県⽣まれ。
奈良⼥⼦⼤学⽣活環境学部卒。⼤阪工業技術専門学校夜間部卒。
イーストロンドン⼤学卒。
ICU architects office、アーバンフォルム建築研究所を経て独⽴後、dot architects 参画。
宮地 敬⼦(みやち けいこ)
1982年 兵庫県⽣まれ。
京都造形芸術⼤学空間演出デザイン学科卒。
京都造形芸術⼤学勤務を経てフリーランスで活動後、dot architects 参画。
勝部 涼亮(かつべ りょうすけ)
1997年 滋賀県⽣まれ。
横浜国⽴⼤学都市科学部建築学科卒業後、dot architects 参画。
小林 明日香 (こばやし あすか)
1999年 兵庫県生まれ。
昭和女子大学大学院生活機構研究科環境デザイン研究専攻修士課程修了後、dot architects参画。

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著者=ドットアーキテクツ
編集=MUESUM