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展覧会概要
長谷川氏は、デビュー作「森のなかの住宅」(2006年)で、切妻屋根の下に束材で支えられた切妻型の小屋裏を創出し、私たちに独特な空間感覚を印象付けました。続く「桜台の住宅」(2006年)では住宅の中心に大きなテーブルを配することで、個室とリビングの新しい関係性を提案し、「練馬のアパートメント」(2010年)では各戸に形状の異なる大きなテラスを併置し、都市の気配を集合住宅に取り込みました。また「森のピロティ」(2010年)では、6.5メートルの階高のピロティの上に居室を9本の細い柱で支え、周辺の森と建築とを融合させるなど、大胆な空間構成を提案しながらも、住み手と建築、建築と周辺環境の関係を心地よくつなぐ空間を実現することで、高い評価を受けています。現在、手掛けている「石巻の鐘楼」(2012年予定)は、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市のある幼稚園の敷地内に、長谷川氏と有志によって小さな「鐘楼」が寄贈されるという計画で、鐘の音が復興への希望の象徴となればとの願いが込められています。

展覧会では、長谷川氏が現在までに手掛けた11のプロジェクトを、それぞれの計画に応じたスケールの模型やスケッチによって、周辺環境との関係性を含めて紹介します。また、中庭には「石巻の鐘楼」が建てられ、会期終了後、石巻に移築されます。

タイトルの「スタディとリアル」には、プロジェクトを通してさまざまな現実(Real)に直面するなかで、能動的に考え、学ぶこと(Study)を繰り返しながら、自身を成長させ、建築の質を高めていくという、長谷川氏の未来への積極的な眼差しが表れています。今後、ますますの活躍が期待される長谷川氏の実践を通して、これからの新しい建築の可能性を感じていただければ幸いです。
「石巻の鐘楼」鐘つき時間のご案内
「長谷川豪展 スタディとリアル」の会期中、1日に3回、「石巻の鐘楼」の鐘つきを行います。
鐘の音が震災復興への希望の象徴になれば、との願いが込められています。
ぜひ、ご体験ください。

鐘つき時間
① 12:00
② 15:00
③ 17:00

ご注意
・鐘つきは係員が行います。
・時間は予告なく変更されることがあります。
・悪天候の場合は中止いたします。
  あらかじめご了承ください。
会場写真
[1] 第1会場エントランス
© Nacása & Partners Inc.
[2] 「五反田の住宅」ホール部分模型
© Nacása & Partners Inc.
[3] 第1会場の展示台は「桜台の住宅」のテーブル原寸大模型
© Nacása & Partners Inc.
[4]「日本デザインセンター」模型
© Nacása & Partners Inc.
[5] 最新作「石巻の鐘楼」プロジェクトブック
© Nacása & Partners Inc.
[6] 中庭に建てられた「石巻の鐘楼」 
photo: TOTO GALLERY・MA
[7] 「石巻の鐘楼」のバルコニーから六本木の街並みが見渡せる
photo: TOTO GALLERY・MA
[8] 「石巻の鐘楼」内部を見上げ
photo: TOTO GALLERY・MA
[9] 第2会場全景
© Nacása & Partners Inc.
[10] オリジナルのスケッチが敷き詰められたテーブル。200分の1スケールのスタディ模型が、ガラスケースに詰め込まれている
© Nacása & Partners Inc.
[11] 「経堂の住宅」模型
© Nacása & Partners Inc.
[12] 「浅草の町家」模型
© Nacása & Partners Inc.
[13] 「森のなかの住宅」模型(奥)と「森のピロティ」スタディ模型4点(手前)
© Nacása & Partners Inc.
[14] 「練馬のアパートメント」住戸別模型
© Nacása & Partners Inc.
[15] 「狛江の住宅」模型。第2会場の展示台は「狛江の住宅」の庭原寸大模型。
© Nacása & Partners Inc.
代表作品
[1] 森のなかの住宅(2006年/長野県北佐久郡)
© 長谷川豪建築設計事務所
[2] 桜台の住宅(2006年/三重県)
© 新建築社写真部
[3] 練馬のアパートメント(2010年/東京都練馬区)
© Iwan Baan
[4] 森のピロティ(2010年/群馬県吾妻郡)
© 新建築社写真部
[5] 駒沢の住宅(2011年/東京都世田谷区)
© Iwan Baan
展覧会情報
展覧会名(日)
長谷川豪展 スタディとリアル
展覧会名(英)
Go Hasegawa: Study in Real
会期
2012年1月14日(土)〜3月24日(土)
開館時間
11:00–18:00(金曜日は19:00まで)
休館日
日曜・月曜・祝日
ただし2012年2月11日(土・祝)は開館
入場料
無料
後援
社団法人 東京建築士会
社団法人 東京都建築士事務所協会
社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部
社団法人 日本建築学会関東支部
特別協力
石巻栄光幼稚園
オーノJAPAN
工藤工務店
カリヨンセンター
ROYAL EIJSBOUTS
小泉製作所
あらたに整形外科・内科
日本キリスト教団飛騨高山教会
飛騨AA救援衣料チャリティー実行委員会
富山建材
DAIKO
関連プログラム
2012年2月10日(金) 17:30開場、18:30開演、20:30終演
TOTO出版関連書籍
著者=長谷川豪