|
|
|
|
|
|
|
|
集落調査—設計—都市論の展開。原広司の活動を結ぶラインが、ひとつの理論に結実する。
原広司氏は、1970年代より世界各地の辺境地を巡り、それぞれの土地に根ざす集落の実態調査を行ってきました。その経験から他に類を見ない独特の都市論を生み出し、代表作である「ヤマトインターナショナル」(1986年)、「新梅田シティ」(1993年)、「JR京都駅」(1997年)などの実作に特徴的な形態として表現するなど、理論と実践を両輪にした建築活動を続けています。
本書『DISCRETE CITY』は、「ESSAY(原氏の書き下ろしの論文)」、「DOCUMENT(<実験住宅 モンテビデオ>建設の記録写真集)」、「DRAWINGS(<実験住宅 モンテビデオ>の設計図面集)」および「INTERVIEW(原氏へのインタビュー録)」の4部作で構成されています。
原氏は長い年月をかけて、「均質空間」を前提とする近代都市とはまったく異なる系譜をもった、新しい都市空間の在り方を追求してきました。この新たなる都市の姿を理論的に示したものが、本書の核となる「離散性(ディスクリートネス)について——連結可能性と分離可能性をめぐる小論」と題した論文です。
原氏はこの都市モデルを、南米の都市モンテビデオにおいて自らが設計した3棟の実験住宅によって提示しました。「DOCUMENT」では、自ら建設にも携わったこの実験住宅の建設過程を、カラー写真によって紹介しています。一方「DRAWINGS」では、原氏自身がトレシングペーパーに細部に渡って描き込んだ指示図37点がオールカラーでリアルに再現されています。さらに「INTERVIEW」では、原氏が追求している理論体系「空間の文法」のコンセプト、「ディスクリート・シティ」の構想が生まれた背景、モデルとしての実験住宅の意義、さらに現在進行形の第2弾<実験住宅 コルドバ>への展望などが語られ、原氏の理論と実践を結ぶラインの全貌が明かされています。
『DISCRETE CITY』が提案する新たなる都市居住のあり方とは何か? 氏の発想の源は何にあったのか? 実践の地としてなぜ南米が選ばれたのか? この4冊を横断してお読みいただくことで、氏の思想を総覧するとともに、そこに描かれた壮大な都市モデルのイメージを共有していただければ幸いです。
体裁=255mm×155mm、箱入り、4分冊
日本語、英語、スペイン語併記
ISBN 4-88706-247-8
価格3,150円(税込み) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|