TADAO ANDO ARCHITECTURE, 'CHALLENGES - FAITHFUL TO THE BASIS
2008 10.3-2008 12.20
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安藤忠雄建築展 [挑戦—原点から—]展示作品
住吉の長屋(大阪、1976)

建築家安藤忠雄の実質的なデビュー作。大阪下町の三軒長屋中央の一軒を切り取り挿入された内外打ち放しコンクリートのコートハウス型都市住宅。狭い住居の中央、三分の一を占める面積をあえて中庭として開放し、厳しい条件下の都市住宅にあっても自然と共生する新しい生活像を提案した。あらゆる意味で安藤建築の原点をなす作品。
©高瀬良夫
光の教会(大阪、1989)

大阪郊外の住宅地につくられた小規模な宗教建築。経済的に極めて苦しい設計条件の中、徹底して建築の要素を削ぎ落とし、主題を光と影の現象に集約させることでコンクリートの単純な箱型構成の中に極めて象徴的な祈りの空間を生み出した。教会の完成から10年後には、それと“対”を成す形で新たに「日曜学校」が増築されている。
©松岡満男
六甲の集合住宅Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ(病院+老人医療施設)
(兵庫、Ⅰ:1983,Ⅱ:1993,Ⅲ:1999,Ⅳ:2009予定)

1978年から神戸六甲の傾斜地に三期にわたりつくられた集合住宅と、四期として現在建設中の医療福祉施設。事業者、規模共に異なるそれぞれのプロジェクトに際し、地形を活かした建築構成、多様な住空間の創出といった主題を貫きつつ、規模の拡大に応じてより充実したパブリックスペースの実現を試みている。建築家の構想力が生み出した、現代建築による”集落”の風景。
©松岡満男
東京大学情報学環・福武ホール(東京、2008)

東京大学本郷キャンパス内に大学創立130周年を記念して計画された200人収容のホールを持つ校舎施設。キャンパスのすぐれた歴史的環境の尊重、敷地に残る樹木の風景の継承を主題に建物の半分を地下に沈め、全体の半分を地階へと続く階段広場とする”控えめ”な建築がつくられた。構内道路の境界につくられた”考える壁”が印象的である。
©藤塚光政
東急東横線渋谷駅(東京、2008)

東京メトロ副都心線、東急東横線が相互乗り入れする新しい渋谷の地下駅。地下深くに浮遊する”地宙船”のイメージのもと、土木の地下躯体に対し卵型フォルムの駅舎空間を入れ子状に挿入する構成が提案された。卵の中心は地下2階のコンコースと地下5階のホームを結ぶ吹抜空間。このダイナミックな空間構成が、地下駅舎内の自然換気を可能にする装置にもなっている。
©藤塚光政
東急大井町線上野毛駅(東京、計画中)

東急大井町線上野毛駅の複々線化に伴う路線拡張工事、及びバリアフリー化を含む駅舎の機能拡充計画。プラットフォーム上部を一般道路が横切る上野毛駅の立地特性に対し、道路を挟んで配置される駅の諸施設、バス停などを道路ごと大屋根で覆うアイデアを提案。多様な交通網を一体化することで都市インフラの合理的な統合と共に、地域の”顔”となる駅前風景の創出を主題としている。
©安藤忠雄建築研究所
FABRICA(ベネトンアートスクール)
(トレヴィゾ, イタリア、2000)

敷地はイタリア、トレヴィゾに位置する。ファッションメーカーのベネトンが世界中の若手アーティストをサポートするためにつくったコミュニケーション・リサーチセンター。田園風景の中に佇む17世紀の貴族のヴィラを保存修復しつつ、その風景を壊さないよう新たな建築部分のほとんどが美しい幾何学を描くサンクンコートと共に地下に計画されている。
©松岡満男
パラッツォ・グラッシ再生計画(ベニス, イタリア、2006)

フランスのパリ、スガン島のピノー現代美術館計画中止の後、再びフランソワ・ピノー氏と共にイタリアのベニスで始めたプロジェクト。グランド・キャナルのほぼ中央、サン・マルコ広場にほど近い場所に位置する18世紀後半に建てられた新古典主義の邸館建築「PARAZZO GRASSI」を改修、現代美術に適したスペースとして再生した。
©松岡満男
プンタ・デラ・ドガーナ再生計画(ベニス, イタリア、2009)

サン・マルコ広場の対岸にある、15世紀に建てられた国有の歴史的建造物「海の税関(Dogana di Mare)」を現代美術館に改造するプロジェクト。「パラッツォ・グラッシ再生計画」同様、ベニスの歴史的建造物保存に関わる法律の厳しい制約の中で、建物本来の潜在力を活かしながら如何に現代性のある空間を生み出すかに主題がおかれている。2009年6月のベニスビエンナーレ開催に併せてオープンの予定。
©安藤忠雄建築研究所
アブダビ海洋博物館(アブダビ, アラブ首長国連邦、計画中)

敷地はアラブ首長国連邦(UAE)首都アブダビにあるサアディヤット島。フランク・O. ゲーリー、ジャン・ヌーベル、ザハ・ハディドも参加する一大文化開発プロジェクトの一つ。海の民の文化を伝える施設のプログラムに対し、矩形平面のヴォリュームから海風を受けた船の帆のふくらみを思わせる、シェル状のヴォイドをくりぬいた大胆な形の建築が提案されている。
©大橋富夫
バーレーン遺跡博物館(バーレーン, マナーマ、計画中)

敷地はアラビア湾に浮かぶ島国バーレーンの首都マナーマ郊外、サール古墳群を望む場所に位置する。紀元前3000年に栄えたディムルン文明の貴重な史料を展示する博物館の計画。悠久の時を刻んできた力強い太古の墓標に対する解答として、延々と続く荒野に楔を打つような三角形をモチーフとした、幾何学性の強い形の建築が計画されている。
©安藤忠雄建築研究所
モンテレイ大学プロジェクト(モンテレイ, メキシコ、計画中)

メキシコ第二の産業都市、モンテレイにある大学キャンパス内につくられるデザイン系学科のための新校舎計画。広大なキャンパスの入口の位置を占める敷地に対し、複雑な曲面で覆われた巨大なピロティ空間を持つ”ゲート”を象ったような形の建物が検討されている。同じモンテレイで1500㎡規模の住宅プロジェクトも進行中である。
©安藤忠雄建築研究所
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