■安藤展が大阪へ巡回します!詳しくはこちら
建築をぬける風 安藤忠雄 建築家・安藤忠雄氏は1970年代、建築雑誌『都市住宅』に執筆した初めての論文「都市ゲリラ住居」というマニフェストと、それを体現した独立住居「住吉の長屋」によって広く社会にその名を知られる存在となり、以降、現代社会の批判とも言うべき斬新な建築作品をつくり続けてきました。1990年代後半からはその活動の舞台を徐々に世界に広げてゆき、今日ではヨーロッパからアメリカ、アジア、中近東にいたる世界各地でグローバルな活動を展開しています。 本展は、そうした安藤忠雄氏の30数年に及ぶ建築活動を、それぞれがつくられた”場”に注目して振り返り総括しようとするものです。大阪、神戸、東京、ベニス、アブダビ、メキシコ、バーレーン—ここで採り上げられる10件余りのプロジェクトは、つくられた”場所”のみならず計画時期、スケール、プログラム共に全く異なる状況下の建築ですが、その多様な表現の背後には、ある一貫した建築家の思想が見受けられます。建築を単体で考えるのではなく環境形成の手段として捉えるという、より総合的な建築の考え方、そしてそれを自然と建築との”共生”によって実現しようという自然に拠る建築の方法です。この点において、30年前に大阪都心部の密集住宅地につくられた極小住宅「住吉の長屋」と中東のアブダビで計画中のモニュメンタルな文化施設「アブダビ海洋博物館」は一本の線で結ばれるのです。 会場には、安藤建築の”原点”に当る「住吉の長屋」を原寸大模型で再現するとともに、それぞれの”場所”に息づく安藤建築をスケッチ、模型、ドローイング、映像などでさまざまな角度から紹介して本質に迫ります。”環境”が主題とされる現代にあって、”場所”と”自然”との関わりを一貫して追い続ける安藤忠雄氏の建築活動の軌跡を辿ることは、未来へつながる重要な視座を与える機会となるでしょう。 独学で建築を学び、ボクサーから建築家へ転向後、1969年、28歳にして大阪の梅田に事務所を構え、たった独りで社会に踏み出した建築家 安藤忠雄氏。仕事がなく、読書に耽り、頼まれてもいない設計案を練っていた日々からおよそ40年の歳月が過ぎた今、無名の青年だった氏は、その腕一本で築き上げてきた建築作品で世界中から名だたる賞を受賞するに至り、国民的建築家と称されるまでに飛躍を遂げています。 ギャラリー・間では、2008年10月より、現在、ますます精力的に活動を展開している安藤忠雄氏の展覧会を開催します。ギャラリー・間の小空間に凝縮される安藤建築ワールドに、どうぞご期待ください。 なお、本展覧会は、TOTO出版にて刊行中の『安藤忠雄の建築』の出版を記念して開催するものです。全3巻で構成される本シリーズのうち、第1巻(Houses & Housing)と第2巻(Outside Japan)を、展覧会に先駆けて発売しています。建築をつくる勇気を与えてくれる、決定版作品集。こちらも、ぜひご覧ください。 ■ 作品集のご案内
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