TOTO

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内藤廣(ないとうひろし)
建築家 東京大学名誉教授 菊竹清訓建築設計事務所等を経て、1981年内藤廣建築設計事務所を設立。1993年「海の博物館」で日本建築学会賞、吉田五十八賞等を受賞。近著書に『内藤廣と若者たち』など。
TOTO出版のおすすめの本
これまでに執筆してきた文章の中から"つぶやき"として短いフレーズを抜き出して建築写真の上にちりばめ、雑誌と書物と写真集の間のような新しいメディアの在り方に取組んでみました。今、建物をつくる上で、どこに足を置くのか、何を考えなければならないのか、私自信も改めて考える機会になりました。その感じを皆さんとも共有できればと思っています。
その他のおすすめの本
自死の日本史
(著者:モーリス・パンゲ)
本当に驚いた。こんなにスゴい人がいたのだ。古代ローマの政治家カトーの自死を呈示して、日本のそれと照らし合わせることから始まる考察は、古代万葉の時代から、平安、室町、江戸近世、そして昭和までの意志的な死について探究しています。この驚くほど膨大な知識を有する日本文化研究者パンゲが言っていることは「責任をとる」ということと、その文化。過ぎ去りし日本のうしろ姿を書いています。
大衆の反逆
(著者:オルテガ・イ・ガセット)
20 世紀の名著の1冊。スペインの建築設計事務所に勤めていた1970 年代半ば、知識人の間でよく名前が挙がっていた哲学者オルテガ。文章は解りやすいのですが、言っていることは高尚です。全く、今を言い当てています。大衆が支配する社会になってきたときの「大衆」とは何かを論じています。今、オルテガが予測した世の中が、よりリアルに立ち現れてきている感じがします。
千夜千冊番外録 3・11 を読む
(著者:松岡正剛)
日本文化、芸術、生命哲学、システム工学など多方面におよぶ思索を情報文化技術に応用する「編集工学」を確立している松岡氏なりの方法で東日本大震災に向き合った本。東日本大震災、地震、津波、原発、環境、エネルギー、東北、みちのく、鎮魂など震災に関連する60 冊の本をめぐる思想の変遷がまとめられています。復興に取り組むうえで知識を増すためのブックガイドにもなりました。
北斎漫画 BOX 全3 巻セット
面白いです。飽きないです。全国にいる弟子に向けて、人物や風俗、動物、植物、妖怪などを絵の手本として描いた4000 図。筆の走り、書きっぷり、構図いずれも、鋭い観察眼と奔放な発想によるもので、軽妙洒脱。素晴らしいです。文庫本化されたことに感動しました。北斎はスーパースター。