日本を熟知した
外国人ならではの
ホテルデザイン

 最後に最上層部のホテル「アンダーズ 東京」を見学した。アンダーズは日本初上陸のハイアットグループのホテルで、ヒンディー語で「パーソナルスタイル」の意。レセプションカウンターをなくし、椅子とテーブルのあるラウンジで各スタッフがタブレット端末によるチェックインを行うなど、旅にまつわるストレスを軽減し、友人宅のリビングに招かれたような居心地のよさを追求していると、アンダーズ 東京の広報担当の寺本美那さんは語る。
 164室の客室のインテリアを手がけたのは、ニューヨークを拠点に活躍するトニー・チー氏。「彼は幼少期に台湾の本格的な日本家屋で育ったので、私たち以上に日本の文化や美意識を尊重しています」と寺本さん。室内には、無垢の木や和紙など自然素材が多用され、カーペットは唐草色、客室にも桂離宮の松琴亭を思わせる市松模様の家具が置かれるなど、いわゆる和モダンのホテルとはひと味違う、独特のセンスが感じられる。
 水まわりは洗い場のある浴室、洗面所、トイレが独立した日本スタイル。お風呂という日本文化を尊重し、ゆったりお湯に浸かれるバスタブは海外のゲストにも好評だそうだ。


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