回遊できる
オフィスロビーと
商業エリア
次に、3階の商業エリアを見学した。設計は前述のオフィスロビーと同じカザッポ&アソシエイツ。通常、複合ビルではオフィスと商業エリアが分断されているが、ここではセキュリティ上、仕切られたオフィスのコアを囲むようにオフィスロビーと商業エリアが配置されており、両者は自由に回遊できる。
担当の荻野佳宏さんいわく、「まず中央に黒いイメージのコアをつくり、そのまわりのロビーと商業エリアは一周しても違和感のない空間を目指しました」。硬いイメージになりがちなオフィスのロビーは美術館のホワイエのようなやわらかさを出したいと考え、木を一度脱色してから黒く染色した壁とトラバーチンを採用。床については御影石に比べて傷みが懸念されるため、当初は森ビルとのあいだでかなり葛藤があったが、最終的には経年変化も味ととらえることで合意が得られたそうだ。
トイレはオフィスロビー脇と、商業エリアの中ほどの2カ所にあるが、撮影したのは後者で、ベージュ系の大理石が目を引く上質なインテリア。単に用を足すのではなく、リラックスできる空間にすべく、ややはなやかな感じにまとめたという。





