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展覧会「Luminosity / Porosity」で我々が追求しているのは「孔(あな)」と「光」の様相、ひいては、建築と都市化(アーバニズム)とランドスケープの一体化、究極的には「物質」と「精神」の融合についてだ。すでに繰り返されてきた建築と都市化とランドスケープの一体化についての議論は、形があって初めて認識できる光と陰と影がひとつの事象であることを証明するのと同時に、「物質」と「精神」の融合を証明することでいっそう説得力のあるものになる。建築というものを経験するときに沸き起こるはずの感動や歓びのきっかけとなるのは、一つの物体としての形状(フォルム)に心を奪われることではなく、空間の内側、空間の周囲、空間の間といった空間の存在そのものがおこす一連の現象を経験することによる。「Luminosity / Porosity」で我々が試行したのは、精巧に刻まれた形状の上に反射する、あるいは屈折する現象としての光の特性が、どのようにものの表面となる外観上の様相を超越するかを具体的に表すことだ。
2006年3月
スティーヴン・ホール
スティーヴン・ホール氏は1993年ヘルシンキのキアズマ現代美術館の国際コンペで最優秀賞を獲得して以来、活動の幅をワールドワイドに展開し、主だった国際コンペには必ず招聘されるなど、現在もっとも注目を集めている建築家の一人です。今回の展覧会では、このキアズマ現代美術館から、昨年新たに国際コンペで最優秀に選ばれたフランス ビアリッツのサーフ・オーシャン文化センターまでの最新作を含む、18プロジェクトを建築模型、スタディ模型、写真作品でご紹介します。また、ホール氏はこれらの話題作を貫くコンセプトを「ルミノシティ:Luminosity(光)」、「ポロシティ:Porosity
(
孔
あな
)
」と定義し、「孔」が生み出す「光」と「影」の効果−空間の内側、周囲、間といった空間のシークエンスを経験することこそ建築のフォルム以上に重要であると考えていますが、展覧会ではこのコンセプトをインスタレーション・モデル「ポロシティ」、「ルミノシティ」として展示いたします。今回が日本での初の発表となる最新作の展示をはじめ、ホール氏の追及する建築的空間モデルがインスタレーションによって体験できる展覧会です。
ご期待ください。
ヘルニング美術センター
画像制作=Steven Holl Architects
MIT シモンズ・ホール
© Andy Ryan
キアズマ現代美術館
© Paul Warchol
聖イグナティウス礼拝堂
© Paul Warchol
サルファティ・ストラートのオフィス
© Paul Warchol
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