TOTO

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塚本由晴(つかもと よしはる)
建築家 東京工業大学大学院准教授 貝島桃代とアトリエ・ワンを共同主宰。「ふるまい学(Behaviorology)」をコンセプトに、建築と人、自然の要素を関係づける空間づくりを目指し、国内外にて活躍中。
TOTO出版のおすすめの本
坂本一成は日本でもっとも思弁的な建築家。日常の空間のなかにあって、日常の空間に緊張をもたらす建築のあり方が、ぶれることなく探求されています。21世紀の建築はここからはじまると私は思っています。
その他のおすすめの本
建築家なしの建築
(著者:B・ルドフスキー)
繰り返しに耐えて、人々に寄り添っている建築。人や自然、なりわい、気候風土など異なる配慮の均衡。世界中にいろいろ場所があって、いろいろな人々がいて、それぞれに素晴らしい空間をつくりあげているということが素直に理解できます。
空間の生産
(著者:アンリ・ルフェーブル)
空間の生産の主体の位置を知覚や身体、生命、時間的要素など日常に潜在する事物にも見いだして行く「実践の空間」のアイデアは、硬直化した空間を批判し、いきいきとした空間をつくる際の理論的基盤になると思います。
虚構の「近代」―科学人類学は警告する
(著者:ブルーノ・ラトゥール)
Actor–network論を使い、近代そのものがなかったと指摘。社会と自然を対立させる純化のプロセスにより、それらのハイブリッドを隠蔽することで生産性を高めてきた近代のレトリックを暴いています。ものすごく面白い。
アトリエ・ワン コモナリティーズ -ふるまいの生産-
(著者:塚本由晴、貝島桃代、田中功起、中谷礼仁、篠原雅武、佐々木啓、能作文徳、東京工業大学塚本由晴研究室 )
人とモノのふるまいの関係とその共有によってつくられるパブリックスペースをフィールドワークなど実践を通して「コモナリティ」の観点から論じています。概念先行でつくられてきた20世紀の産業化空間から、人・モノ先行でつくるふるまいの空間へ。