特集3/独学の建築家

設計と職人を同時に

——独学で建築を志す人は、最初は仕事を獲得するのが大変だろうと想像します。どうやって仕事を得たのか、経営的な軌道にのせるための工夫などをおうかがいします。

森田 最初の5年間は新築の仕事がなくて、リノベーションやインテリアの仕事をしていました。ぼくは現場でも働けたので、左官工事を自分で請け負ったりしていました。1年の半分くらいは職人の仕事をしていたし、いざとなれば出稼ぎに行くぞ(笑)という気分です。またその分、現場に長くいられるので、大工さんとの打ち合わせの時間がとれるのもありがたかった。町家修復の現場はつねに図面と違ってくるので、それに対応する必要がありますから。
 左官で文化財の修復をしてきたのは、町家修復の仕事を得るうえではメリットがあったかもしれません。「金閣寺も直しました」という信用が(笑)。それに文化財の仕事は痛んだ部分を解体して修復する作業ですから、長持ちしないディテールがとてもよくわかる。納まりの勉強になりました。


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