「きれい除菌水」に
歴史あり
——今回の開発の経緯をお聞かせいただけますか。
- 古田 今申し上げた「尿石」をおさえることと、洗浄に使う水を減らすこと。まさに相反する課題なんですが、じつはもう20年にわたってこれに取り組んできているんです。そのなかで「きれい除菌水」より前に、同じ「次亜塩素酸」を使った小便器を1997年から2002年にかけて、開発、販売していました。
——ということは、それが「きれい除菌水」の原点ということですか。
- 古田 原点とはいいにくいですが(笑)。一番初めは小便器、こちらがスタートでした。それをウォシュレットのチームがよりよい形にしてくれて、再びこちらに戻ってきたわけです。
——「きれい除菌水」に歴史あり、ですね(笑)。
- 古田 私たちが最初に「次亜塩素酸」を使った小便器を開発したときは、排水管につまる尿石の問題が十分に解決しなかったんです。その後、銀イオンを使った電解水を開発し、排水管側の尿石抑制への対応も向上してきました。
——なるほど。
- 古田 そうした電解水など機能水の研究を続ける一方で、トラップや排水管といった機構的な面での改良にも取り組んでいたんですね。機構面での試行錯誤の結果、「インターバル排水管洗浄」という方法にたどり着きました。使われていないあいだも2時間ごとに洗浄して尿石の発生をおさえる。トラップも流れやすい形状で小型化したため、1回あたりの洗浄水が1.2Lですむようになりました。押しボタン式の時代から比べると約70%の節水。それが2015年4月です。
——今回の超節水タイプの半年前ですね。
- 古田 そうです。そして今回、いよいよ話題の「きれい除菌水」搭載ということになったわけです。「きれい除菌水」は、主成分である次亜塩素酸の強力な分解力と即効性により、菌に触れただけで菌の細胞膜や核を破壊します。おおげさにいえば「瞬殺」型なんですね。
——時代劇みたいですね(笑)。
- 古田 その「きれい除菌水」で、トラップに残ってしまう菌を除菌することにしました。インターバル排水管洗浄と連動して、尿石の生成に関与する菌を除菌することによって尿石を抑制する。それによって押しボタン式フラッシュバルブの5分の1ですむ、という節水を可能にしたんです。
——5分の1というのは本当にすごいですね。
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