特集4/ケーススタディ

木の家に住みたかった

 家賃は月6万円前後+共益費8000円とあえて高めに設定しており、入居者は22〜35歳の社会人限定。契約は定期借家契約が基本だが、初回のみ3カ月の試用期間を設けている。合わないと感じたら借り手にも出ていく自由があり、貸し主側も問題のある借り手に対しては契約を打ち切れるわけだ。
 強気の家賃設定にもかかわらず、開業時には自社ホームページの告知だけで定員の2倍以上の申し込みがあり、ものの1カ月で6人の入居者が決まったという。現在、それから2年余りが過ぎ、ちょうど入れ替わりの時期。最初の入居者のうち5人が転勤や結婚などで退去し、新しい入居者が4人入ったところで、取材時点では1室が空いていた。
 入居して5カ月になるという新しい住人のひとり、竹村妹子さんに話を聞くことができた。竹村さんは母親の勧めで、以前もシェアハウスに住んでいたが、今より狭い個室内にキッチンもついていたため、仕事で疲れて帰ってきてもゆっくりできず、だんだん「住み苦しく」なってきたそうだ。
「私、よく家の中を歩きまわるんですよ。実家が木造の一軒家で自由に歩ける空間が多かったんです。それで、やっぱり住むなら木の家や!と思いました。でも、さすがに一軒家にひとりはさびしいから住めんやろと考えて、インターネットで『木造建築・京都・シェア』の3つで検索したら、すぐ見つけられました。ここは前はいつ見ても満杯やったけど、タイミングがよかったんです。今は足の裏で板の間や畳の感触が感じられるのがすごく気持ちがよくて、来てよかったなあと思っています」


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