杉本氏はニースのネグレスコホテルの、美しい装飾が剥がれ欠けて現れた無骨で力強い下地を見て感銘を受け、我々は文化の表面しか見ていないのではないかと指摘する。近代において工業化と情報化はデザインをものすごいスピードで社会
に浸透させた。デザインは原形のもっていた背景とは無関係に表面は複製され伝達され、嗜好されるものとして付加価値をもっていく。考えてみれば我々は、そうした膨大な表面の集積のなかで生活しているのかもしれない。
売る店としての演出、デザインの美しさ、一方向に発信される広告……。無印良品は高度資本主義経済のなかで良しとされている 表層をもたない。そのことを通して無印良品は「デザインの原型(オリジナリティ)とは何か?」ということをを我々に問いかけているのではないだろうか。
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