生活史のなかに
息づいている

——昨年8月にオープンしてから、しばらくたちますが、来館者の声はいかがですか。

大出 じつはTOTOでは、かつて食器もつくっていました。その食器の展示は人気があります。衛生陶器のメーカーが食器をつくっていたというと驚かれる方も多いのですが、どちらも陶器です。子どもの頃に使っていた食器を見て喜ばれる方もいらっしゃいます。TOTOのコーポレートカラーであるブルーは、食器生産のときに「瑠璃色」として得意としていたものですから、TOTOの歴史のなかでは、食器も欠かせない存在です。

——「TOTOミュージアム」の館長になられて感じたことがあれば、教えてください。

大出 第2展示室では、原始から現代まで、水まわりの変遷を展示しているのですが、来館者の年齢によって立ち止まっている場所が違うことに、最近気がつきました。年配の方は、20〜30年代の同潤会アパートを再現した「大正から昭和初め」のところ、中年の方は「戦後から高度成長期」のところ、若い方は「昭和から平成」のところ、という感じです。もしかしたら、自分の子どもの頃の風景を思い出されていたのかもしれません。日本の生活史のなかに、私たちの商品が息づいていると感じ、誇らしく、またとてもうれしく思いました。

>> 「TOTOミュージアム」のホームページ
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