特集1/プロセススタディ

試論1 
最初の「トライアルプラン」

「トライアルプラン」として第1案が提示されたのは09年9月。通例より検討時間が十分だったこともあり、スケッチの域を越えて基本設計そのもののような内容になっている。そこに示された決定的な骨格が3つ。
 ひとつに、平屋の建物を西の前面道路から約7m、東の公園から約11m後退させ、それぞれ庭を形成すること。西庭は平坦な芝生で臨時の駐車場ともなる。東庭は斜面の庭で、外からの視線をさえぎりながら公園を借景とする。
 ふたつに、正方形平面の中央を西から東に主空間が貫き、その両側に付随的な機能が配されていること。
 3つに、近隣の同じ条件の住宅がみな南面としているなかで、あえて南側の全面を壁で閉じ、東側の公園に正対していること。
 これらは、その後も寸分も変わらずに実施案に至っている。建主の要望、敷地条件などを設計者が的確に読み取った成果にちがいなく、建主はこの案を予想とは違っていたが要望はほぼ充足されていて、そのままでもよいと思ったそうだ。


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