大勢の専属大工と
技術への自信

 小林工務店の創業は1968年。創業社長である小林氏は大工棟梁で、以降、大工を育てながら住宅づくりに励んできた。二見さんが社長を引き継いだのは2010年。代表を引き継ぐ前後から、従来の大工技術という特長に加えて、「漆喰と無垢」を前面に打ち出した。木造住宅と相性のいい漆喰の調湿性や調臭性を生かした家づくりというわけだ。小林工務店が採用する通気断熱WB工法は、形状記憶合金のバネを使って床下換気口を自動開閉し、漆喰の調湿性とあわせて、室内の空気環境を整える。高気密高断熱の仕様とは逆の方向性だが、通気層のつくり方などに独自の工夫をする、大工技術と融合した仕様となっ大工技術と融合した仕様となっている。「木造住宅の70%は大工さんの腕にかかっている」と二見さんが語るのは、それだけ抱える大工たちの腕に自信があるからだろう。現在、小林工務店専属で仕事をする大工棟梁は22名。いずれも、初代の小林棟梁以来の小林工務店で修業して腕を磨いてきた職人たちだ。プレカットが主流の現在でも、小林工務店では新築住宅の約半数を、墨付け、刻みの工程でつくる。本社脇の、「4棟分くらいは刻める」(二見さん)という大きな下小屋は、客に安心感を与える要因のひとつである。

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