ケーススタディ05

抽象度の高い家型

 構成の順序として「まず土間があり、掘立て柱によって場所をつくり、囲いをした」と篠崎さんは言う。
 屋根と南北の壁面が連続して囲いとなり、それが東西に延びて妻面から少し突き出す。東面はY字柱の内包を暗示するように斜めのラインが多く見られる。それは囲いの切断面であることを示している。その屋根形状は、上部で90度に開いたY字柱がそれぞれ勾配天井と直交することでつくられる。すなわち矩勾配の切妻屋根である。
 軒の出がない切妻屋根をのせた、やや大振りでシンプルな総2階建て。「ここでのテーマは屋根ではない」と篠崎さん。建主から「おうちらしさ」の要望を受け、そのよさを十分に咀嚼したうえで、囲いとしてのエッジを見せた象徴的な家型が生まれた。


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