特集3/ケーススタディ

内部に引き込まれた外部

 アプローチ右手の引き戸を開けると、スケールと光を抑えた洞窟のような玄関。そこを左手に進むと、屋根スラブまで5m以上吹き抜けた、明るい空間が迎えてくれる。この大きなコンクリートのボリュームに、2層の木造によるガラスの箱がふたつ、入れ子になっている。そして建主さんからは「靴のままでどうぞ」と案内される。ここでは室内以外は下足履き。ご家族は突っ掛け(サンダル)で部屋同士、そして上下階を移動している。
 太鼓張りの巨大な紙障子の建具を引くと、中央の外室に出る。随所に施された緑が目を楽しませる。ただし、ここはまだ「外」だ。東西の壁際と真上のスリット状トップライトは一部ガラス入りだが、ファサードと裏手の木格子、地窓のスリット、2階壁の丸穴などすべて素通しで、外気がめぐっている。園児たちの歌声もかすかに聞こえてきた。


>>「ES house-02」の平面図・断面パース図を見る

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