特集2/座談会

誰にも聞かず自分で調べる

——4年制について聞かせてください。

青木まず4年間くらいがそのスタッフと僕が同化しないギリギリだと思います。それ以上たつと、僕の言うこととか、僕が何をしたいかがだいたいわかる。僕の限界もみえてくるだろうし(笑)、逆にこっちもスタッフのできることがわかってくる。やりやすくはなるけれど、それはなれあいなんですね。労働として設計をやりたいわけではなくて、おもしろいのでやっているわけですから、事務所の人間関係が固定化されるのは避けたい。4年制のプラス面は、事務所に新しい血が入ってくるから新鮮に仕事に取り組めること。もちろんマイナス面は、蓄積されなくて大変というのがある。
 それで以前は、だいたい4年でふたつの仕事ができたんですね。最初は誰かの手伝いとして2年くらいサブで入り、その人がメインとなる仕事にらいかかわる。それが最近は仕事のペースが不規則でズレることが多い。村山君の場合も「青森県立美術館」はいきなり現場に行ってトイレとサインが中心だった。「m」(2013)という住宅を最初から担当したけれど途中で止まったりしたから、結局何年いたんだっけ?
村山 合計8年ですね。僕が入ったときは10数人のスタッフがいましたが、ひとりがひとつのプロジェクトをもっていた。だから誰にも聞けない状況で、なにごとも全部、自分で調べろと言われて四苦八苦していました。それぞれが自分のことをやっているから、じゃまをしてはいけないという感じ。すごいところだなあと思いました。
青木 そうやって育つんです(笑)。
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