特集2/座談会

現場のすべてをコントロールする

——具体的には、青木事務所の修業時代はどんなことを考えていましたか。

村山「青森県立美術館」では、青木さんをいかに出さずに、スタッフ3人の力で進められるかと話しあっていました。公共建築なのでトップ同士が話せばすんなり決まっていきますが、それでは僕たちの力にならないから。
青木「虎の威を借る狐」になってはいけないということですね。スタッフが人を説得できないとダメなんですね。
 僕も磯崎さんのところでは、それをやりました。「水戸芸術館」の現場では、役所へも施工者へも、僕のレベルでほぼ決めて通したんです。そうすると矢面に立たざるをえないし大変だけれど、勉強になるよね。磯崎さんも、出てこないで思いどおりのものができていくから楽しいじゃないですか。だから途中からは少し評価してもらえた。
村山 青木事務所は当時から「4年制」で、入ってから4年で独立しないといけない。そのあいだで学ぶには、自分だけで何ができるかを考えるようになりました。
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