38年かけた「夢の商品」

 じつはこの商品の企画自体は、38年前にスタートしたものです。当時はまだ高齢社会の問題などは顕在化していませんでしたから、問題意識としては、トイレをどこにでも設置できるようにしたい、トイレ設置の自由度を高めたいということでした。その研究のなかで、汚物を砕いて小さくして細い排水管で圧送するという方向性が出ていました。その成果として2005年のテストマーケティングでは、いろいろなところで使ってもらっています。ところがこのときには、異物が詰まって、モーターが止まるトラブルが発生しました。それでも、困っている人たちにとってこれは「夢の商品」なんだ、TOTOの社会的使命としてやるんだということで研究開発を続けてきたものです。ですから、今回の発売にあたっては私が研究開発者ということになっていますけれども、実際には長い歴史のなかでかかわってこられた諸先輩方と全員でつくりあげたものだと思っています。
 ベッドサイド水洗トイレの採用を予定している福祉施設の設計者の方からは、「日本の介護がこれで変わる」と言っていただきました。これから市場に出て、使われて、またいろいろな声があると思いますが、そうしたお客さまの声を大切にしながら、いっそうよい商品に育てていきたいと思っています。

*1:ナノろ過に使用されるクロスフローろ過の技術を応用した、フィルター表面に対して汚物粉砕液を平行に高速で流すことにより目詰まりを防止する技術。
*2:お客さま個人の印象です。

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