汚物を砕いて小さくする部分は、かなり試行錯誤を繰り返したところです。というのは、トイレに流されるものは排泄物とペーパーだけではないんですね。生理用品や尿パッド、ガーゼや湿布が、本人が無意識のうちに落ちたり、ときにはご家族に内緒で食べた果物のカスなども捨てられます。そういう雑多なものを処理しなければならないということで、当初はミキサーのように刃で切り刻んで小さくすることを考えていました。ところがトイレタリー商品の種類が増えてきて、切り刻めないものが出てくる。それも切れるように改良すると、それでも切れないものが売り出される、といういたちごっこになってしまったんです。
そこで、入ってくるものすべてを小さくして流すという発想を見直して、汚物を切り刻むのではなく叩くようにして細かくし、それ以外の残留物は取り出してもらうように考えました。そのために、異物を巻き取る突起をつけた樹脂製のパルセータ(羽根)を新規開発しています。洗濯機の中のパルセータを考えてもらえばわかりやすいのではないでしょうか。洗濯機と似た構造は、粉砕室の壁面も同様で、穴をあけて、そこから砕かれた汚物・汚水を排出します。洗濯物が中に入っていても、脱水するのと同じです。穴を通り抜けたものだけを排出するわけですから、問題なく流れるということです。
穴が詰まるのではないかと心配されますが、秒速15m以上という高速で穴を洗浄しながら処理するクロスフローろ過技術(*1)を採用しているので、目詰まりは起こりません。
- *1:ナノろ過に使用されるクロスフローろ過の技術を応用した、フィルター表面に対して汚物粉砕液を平行に高速で流すことにより目詰まりを防止する技術。
- *2:お客さま個人の印象です。





