日本の65歳以上の高齢者は2010年段階で約23%、4人にひとりですが、これが2050年になるとおよそ40%、5人にふたりが高齢者になるといわれています(『平成25年版高齢社会白書』内閣府より)。
こうしたなかで、いかに老後を長く快適に過ごすことができるかは、今後ますます重要になってきます。なかでも排泄の自立を維持することは人間の最も大きな尊厳のひとつだと、私たちは考えています。おむつをするのではなく、自分でトイレに行って排泄するということですね。
ところが、その一方で高齢者が転倒事故により介護認定を受けたケースの80%近くは、トイレへの移動中、歩行中、もしくは排泄時に起こっているというデータもあるのです。転倒して骨折などということになると、入院して折れた骨が治癒するあいだに筋力が落ちてしまって、そこから寝たきりになる、トイレにも行けなくなる、そういう例が多くあります。
一般的に虚弱な高齢者はベッドからトイレまでの距離が4mでも遠いと感じるそうです。トイレをもっと近づけることができれば、転倒事故を減らし、排泄の自立を維持できるのではないか。実際に、ベッドのすぐ脇に水洗トイレを設置した山形市の高齢者施設では、数カ月のうちに、おむつだった方が自分でトイレに行けるようになり、おむつがはずせたという例もあるんです。それほど、トイレが近くにあり、誰にも迷惑をかけずに自力で排泄できるということは、人にとって重要なことなんです。
- *1:ナノろ過に使用されるクロスフローろ過の技術を応用した、フィルター表面に対して汚物粉砕液を平行に高速で流すことにより目詰まりを防止する技術。
- *2:お客さま個人の印象です。





