名工の技が光るインテリア

 旅のコースは3泊4日と1泊2日の2種類あり、3泊の場合は2日目のみ、列車を降りて霧島温泉の高級旅館に泊まる。途中でも専用バスでの観光など、さまざまなセレクトプランが用意されており、気になる料金は旅館の宿泊代も含めて、3泊4日コース2名1室利用の場合でひとりあたり39万1000円~56万6000円(2014年4~6月期)。予約は運行開始時点で14年6月出発分まで埋まっているとのこと。
 古代漆をイメージしたという深いワインレッドに塗装された光り輝く車体を横目に、一歩中に入ると、そこはまさに「走る工芸品」の世界。目が肥えた団塊の世代を想定してデザインしたという和モダン調の室内には、美しい木目の国産材がふんだんに用いられ、大川家具の職人の手による組子細工など、名工の技が随所に生かされている。きわめつきは各室に設置された有田焼の洗面鉢。なんと人間国宝の14代酒井田柿右衛門が亡くなる直前まで取り組んでいた遺作だという。
「口調は静かですが、身を乗り出されるようにして、おもしろい挑戦ができそうだとおっしゃった。従来の鉄道車両は金属製の工業製品という、ものづくりには閉ざされた世界でしたが、柿右衛門さんをはじめ、みなさんが、チャンスがあれば公共の乗り物の空間づくりに参画したいという思いをおもちだと再認識しましたね」と香月さん。


>> 「ななつ星in九州」のCRUISE TRAIN“ SEVEN STARS” IN KYUSHU車両平面図を見る

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